2019年12月17日(火) 18:00
POG期間のみならず日本の競馬を大きく変えたのがサンデーサイレンスであることは言うまでもない。具体的にどのような遺伝子であったかはわからなくても、日本の競馬において効力を発揮し、その一方で他の種牡馬・血統が持っていない遺伝子を日本にもたらしたのだと想像できる。
そういった遺伝子は、父から受け継がれなければならないとは限らず、たとえば母の父にサンデーサイレンスがいるとか、父の母の父がサンデーサイレンスという形から、1/2なり1/4の確率をくぐり抜けて受け継がれても効力を発揮する可能性がある。
種牡馬の影響力はサイアーライン基準で語られることが多いが、「3代以内に入っている・入っていない」という形で調べてもいいのではないだろうか。既にPOG上の評価が確定している3〜12歳の10世代について、サンデーサイレンスの影響をこんな形で見てみよう。
まずは全馬について、2歳〜3歳6月の成績をとる。
該当頭数44361頭 勝ち馬頭数11845頭 勝馬率26.7% 1頭あたり賞金445万円 1走あたり95万円
これが基準だ。そして「3代以内にサンデーサイレンスを持つ馬」(サンデーサイレンス系牝馬が海外で産んだ産駒の逆輸入など一部の馬を除く)は、
該当頭数28796頭 勝ち馬頭数7920頭 勝馬率27.5% 1頭あたり賞金483万円 1走あたり賞金104万円
「全馬」と「3代以内にSSを持つ馬」の比較であり、前者は後者を含むので、「SSなし」と「あり」で比較すればもう少し差が広がる。ただ、イメージよりは差が小さいなという印象だ。
思い立って「Kingmambo」と「Storm Cat」についても調べてみた。
■Kingmambo 該当頭数5388頭 勝ち馬頭数1515頭 勝馬率28.1% 1頭あたり賞金501万円 1走あたり賞金110万円
■Storm Cat 該当頭数3461頭 勝ち馬頭数1103頭 勝馬率31.9% 1頭あたり賞金544万円 1走あたり賞金116万円
感覚としてストームキャットは重要そうだと思っていたのだが、実際に数値も良い。血統は難しいものと思われがちだが、こうやって平均より良い、影響力の強い種牡馬を血統表の中に多く持つ馬を探していけば、穴っぽい馬の発見につながるように思う。
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