2020年01月12日(日) 18:00
2009年から1月の中山1600mになり、同じ距離1600mの「シンザン記念」と同時期に行われているが、この11年間、「桜花賞」とは無縁に近い。
レースレベルが低いわけでもなく、17年の2着馬アエロリット(5月のNHKマイルC快勝)を筆頭に、18年の勝ち馬プリモシーン(8月の関屋記念)、11年の4着馬ピュアブリーゼ(オークス2着)など、のちの重賞路線で活躍する馬は少なくないが、なぜか桜花賞とは結び着かない。
同じ09年以降の11年間に出走馬の中から桜花賞馬を「4頭」も送っているシンザン記念と比較すると、同じ1600mとはいえあまりに物足りないが、そろそろの期待はある。ただ、この3歳世代の牝馬のトップグループのレベルは高いが……。
シャインガーネット(父オルフェーヴル)は、日曜のシンザン記念に出走したルーツドールが東京1600mの新馬を1分33秒3(59秒1-34秒2)で5馬身差の独走だった翌17日、同じ東京1600mの赤松賞を1分34秒4(60秒8-33秒6)で2勝目を記録した有力馬。
オルフェーヴル産駒らしく追ってしぶとく、勝負強いところを発揮したが、前日に新馬勝ちしたルーツドールに1秒1差のタイムが示す通り、スケールでは見劣る印象があった。キャリアの浅い3歳牝馬のこと、1戦ごとに評価は変動するが、仮に日曜の京都でルーツドールが快走しているとき、ここでシャインガーネットに負けたグループは、例年通り桜花賞ではちょっと…という図式が見えてしまう。
シンザン記念の結果をみる前の検討文なので、シャインガーネットが有力馬のフェアリーS組には叱られそうだが、シャインガーネットをスケールで上回るような馬の急上昇に期待したい。
アヌラーダプラ(父キングカメハメハ)の母ポロンナルワの半妹には、16年の桜花賞2着、オークス1着のシンハライト、5歳時にマーメイドSを制したリラヴァティ、17年の牝馬クラシック路線に乗ったミリッサ、赤松賞でシャインガーネットの少差2着したシンハリングの母シンハディーパなど、牝馬の活躍馬が多い。
この時期に上昇するクラシック血統でもあり、前回、東京1400mの2歳コースレコードと0秒2差の好時計を、最後の1ハロンを追っただけで記録したアヌラーダプラには、急上昇の魅力がある。調教の動きは一段と鋭くなっている。
もちろん、シャインガーネットのさらなる上昇でもいいが、新星の魅力はダイワクンナナ(父ノヴェリスト)。期待のわりにまだ大物を出していないダイワスカーレット産駒の中では、新馬勝ちの内容に光る切れがあった。ここは入念に再鍛錬しての2戦目、大きく変わる可能性がある。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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