未勝利戦に出走する初出走馬(津田照之)

2020年03月17日(火) 18:00

イメージよりは好走する傾向

 昨年の6月からスタートした新馬戦も今週の2鞍(中山と阪神、ともにダート1800メートル戦)を残すだけとなった。となると、次週以降にデビューする馬は必然的に「未勝利戦」に出走することになる。「経験馬相手に初めての競馬」という状況を考えれば、一見不利に映るが、案外初戦から好走する馬も多い。

 その理由のひとつとして考えられるのは「無理やり新馬戦に間に合わせることなく、馬の仕上げ重視で出走してきている」という点が挙げられる。

 わかりやすく言えば、調教師が「何としても新馬戦があるうちに出走させたい」と考えるなら、追い切り本数が少なく、調教不足だと感じていても、とりあえずデビューさせる。そういった馬は私の取材経験上、「それほど期待していない馬」であるケースが多い。一方、調教師の期待馬なら、新馬戦を見送ってでも「いい状態で出走させたい」という心理が働き、じっくりと仕上げ、万全の状態でデビュー。それが好結果を生むことも多い。

 先週で言えば、15日(日)の阪神4レース、芝1800メートル戦でデビューしたデゼルがそう。阪神の開幕週(3月1日)にあった芝の新馬戦(芝のレースとしては今年最後の新馬戦)をパスして、敢えて2週間後の未勝利戦に出走。きっちりと勝利を収めた。この馬、父がディープインパクトで母が仏オークス馬という血統。血筋の良さだけではなく、調教の動きも目立っていたが、実戦でも期待通りの走りを見せてくれた。

 同じく、14日(土)の阪神5レース、芝1600メートル戦では・・・

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