2020年03月23日(月) 18:02
▲M.ミシェル騎手の強さに迫るインタビュー
1月27日から3月31日まで、NARの短期免許で騎乗中のM.ミシェル騎手。日本での騎乗延長を模索しましたが、いったんは母国へ戻ることになりそうです。とはいえ、日本全国相変わらずの“ミシェル・フィーバー”。その人気はとどまるところを知りません。
さて、インタビューの第2回は、フランスの女性騎手を取り巻く環境に迫ります。新人時代の大怪我も乗り越え、2018年には冬の開催でリーディングに輝くなど、たしかな実績を残し始めたミシェル騎手。それでもフランスの競馬界には、いまだ乗り越え難い高い壁があると言います。
(取材・文=不破由妃子、写真=高橋正和)
──ただでさえ女性ジョッキーの活躍が難しいなか、デビュー翌年の2015年、調教中の落馬により大けがを負われたそうですね。1年半もの休養を余儀なくされたとのことですが、どういったケガだったのでしょうか?
ミシェル 目の下の骨が折れてしまったんです。それでなかなか視界が戻らなくて…。立っている状態では大丈夫だったんですけど、馬に乗るとちょっと視界がズレてしまうような状態がずっと続きました。
休養中はジョッキーを辞めようと思った時期もあったし、実際、お医者さまからはジョッキーを辞めるように言われて。
──そこまで追い込まれたんですね。そこからどうやって立ち直ったんですか?
ミシェル 自分の意志です。それだけです。家族からは、当然のように「辞めてほしい」といわれました。私の家族は、本当にジョッキーという仕事が嫌いなんですよね(笑)。
──でも、さすがに今では応援してくれているのでは?
ミシェル 「勝ててよかったね」とは言ってくれますが…。母はいつも「そろそろジョッキーを辞めて、私たちの近くに戻っておいで。一緒に海辺にレストランを開こう」って誘ってきます(笑)。
──お母さまもなかなか頑固ですね(笑)。2017年に復帰されて、その年は17勝をマーク。そこから一気に注目度が増したわけですが、何かきっかけがあったのですか?
ミシェル それは、フレッド(元ジョッキーのフレデリック・スパニュ氏)との出会いです。・・・
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