無観客競馬でデビューする新人騎手たち

2020年04月07日(火) 18:00

同期で誰が初勝利を挙げるか

 大阪杯での牝馬のワンツーは見応えがあった。佐賀のル・プランタン賞で地元9戦全勝としたミスカゴシマもすばらしかった。ただ、どんなにいいレースを見ても、馬券が当たっても外れても、今いちばん気になるのは、やはり新型コロナウイルスの影響だろう。

 経済活動がさまざまにストップするなかで、日本の競馬がここまで予定通り開催されているのは奇跡的というほかない。

 ただこのコラムが公開(7日18時)されるのと前後して、安倍首相から7都府県に緊急事態宣言が発表される段取となった(この原稿を書いているのは6日夜)。

 緊急事態宣言が発令されたとして、果たしてその対象地域となっている、大井、園田は翌8日の競馬が行われるのかどうか。同じく対象地域となっている週末の中山、阪神は開催されるのかどうか。

 緊急事態宣言とはいえ、移動の制限も強制ではなく、あくまでも要請だ。無観客とはいえ競馬を続けるのであれば、先週のこのコラムでも書いたとおり、騎手も移動を自粛して、所属場の騎手のみの“鎖国”競馬とする必要があるのではないか。

 さて、この春の新人騎手たちは無観客でデビューを迎えることになったのはなんとも残念。3月にデビューしたJRAの新人では、泉谷楓真騎手が早くも6勝。4月5日中山最終12レースで原優介騎手が勝利したことで、今年デビューした4名すべてが初勝利を挙げたことになる。

 一方、地方では4月1日付免許の新人騎手が8名(うち女性2名)、順次デビューを迎えている。4月1日には早くも船橋、笠松で各1名がデビューした。

後列左から、田中洸多(大井)、魚住謙心(金沢)、古岡勇樹(川崎)、細川智史(名古屋)

前列左から、池谷匠翔(川崎)、深澤杏花(笠松)、北島希望(浦和)、篠谷葵(船橋)

 船橋では篠谷葵(しのや・あおい)騎手(念のため、男性)がデビュー。初日の4月1日には3レースに騎乗して2着が1回。2日には3戦、3日には2戦に騎乗したが、初勝利には至らなかった。

 笠松では深澤杏花(ふかざわ・きょうか)騎手(女性)がデビュー。4月1日の初日から7レースに騎乗し、2着3着各1回という惜しいレースがあった。2日は5戦、3日には6戦、さらに6日には7戦に騎乗したが、残念ながら初勝利はならなかった。騎乗数ということでは、やはり南関東より恵まれている。

 5日の金沢では魚住謙心(うおずみ・けんしん)騎手がデビュー。6戦に騎乗して5着2回が最高という成績だった。

 6日の大井では田中洸多(たなか・こうた)騎手がデビュー。2戦に騎乗し、7着、6着という成績だった。

 ここまで4名がデビューしてまだ初勝利がいないということでは、同期で誰が初勝利を挙げるかは気になっていることだろう。

 このあと、13日からの川崎開催では、池谷匠翔(いけたに・たくと)騎手、古岡勇樹(ふるおか・ゆうき)騎手の2名がデビュー予定。ちなみに池谷騎手は、父が元体操選手で現在はタレントとして活躍する池谷直樹さんという“血統”だ。

 そのほか、浦和では北島希望(きたじま・のぞみ)騎手(女性)、名古屋では細川智史(ほそかわ・さとし)騎手がデビュー予定。所属は、北島騎手が小久保智厩舎、細川騎手が角田輝也厩舎という、ともに地方競馬を代表する厩舎の所属ということでは、有力馬への騎乗チャンスも期待できそうだ。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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