2020年04月21日(火) 18:00
ホッカイドウ競馬では3月12日から始まった能力検査が順調に進み、4月15日には無事に2020年度の開催初日を迎えた。無観客なので無事とはいえないかもしれないが、物事が普通に進んでいくことをこれほどありがたいと感じたことはないかもしれない。
競馬は中央も地方も悪天候などによる取り止めを除いてここまで予定通り行われているが、一方で競馬をとりまく経済活動は順調でないことも少なくない。
5月12日に札幌競馬場で予定されていたトレーニングセールは、つい先日中止が発表された。
5月22日に予定されていた千葉サラブレッドセールは6月5日への延期が発表されているが、果たしてその時期でも通常どおり購買者を集めてのセリができるのかどうか。会場が船橋競馬場で屋外ということでは可能性があるのかもしれない。
4月28日に中山競馬場で予定されていたJRAブリーズアップセールは、28〜30日の3日間でのメールによる入札が発表されている。
さて本題。ホッカイドウ競馬の開幕前、3月12日から4月9日まで5日間に実施された能力検査では347頭の2歳馬が合格した。そして開催初日の15日には、今年最初の2歳戦、JRA認定フレッシュチャレンジ競走も行われている。
2歳戦といえば、注目されるのが新種牡馬の産駒だ。これまでに実施されたホッカイドウ競馬の能力検査に合格した2歳馬で、日本で調教されGI/JpnIを勝った新種牡馬の産駒頭数をまとめてみた(カッコ内は今年の2歳馬で血統登録された産駒数)。
ダノンレジェンド 8 (70) ホッコータルマエ 7 (110) エイシンヒカリ 7 (53) アジアエクスプレス 5 (118) リオンディーズ 4 (133) ラブリーデイ 4 (101) モーリス 2 (176) ダノンシャーク 2 (28) ドゥラメンテ 1 (189) ミッキーアイル 1 (72)
最多8頭のダノンレジェンドはJBCスプリントなどダートグレード9勝、7頭のホッコータルマエはチャンピオンズCなどダートGI/JpnIで10勝と、やはりダートで活躍した馬たちの産駒が多い。逆にドゥラメンテやモーリスなどは産駒数が多くても、種付料や適性面から地方でデビューする産駒は少ないのだろう。
血統的な注目馬では、ホッコータルマエ産駒のハタノシーム(牝・安田武広厩舎)は、母ベルゲンは不出走だが、その母(祖母)が東京大賞典、帝王賞などダートグレード9勝を挙げたファストフレンド。
ダノンレジェンド産駒のリターンギフト(牝・田中淳司厩舎)は、おじに平安Sを制したヒラボクキングがいるという血統で、早くも4月15日のフレッシュチャレンジでデビュー。惜しくも2着だった。
輸入新種牡馬の産駒では、ディスクリートキャット(シガーマイル)産駒5頭、マクフィ(英2000ギニー、ジャックルマロワ賞)産駒3頭、クリエイターII(ベルモントS、アーカンソーダービー)産駒3頭が合格している。
地方競馬的な新種牡馬では、ラブミーチャンの半弟ダブルスター(父シニスターミニスター、アルデバランS)の産駒が、血統登録されている11頭のうち2頭が合格している。
新種牡馬ではないものの、地方出身の活躍種牡馬といえばフリオーソ。今年の2歳世代は過去最高の147頭に種付けされ、血統登録された産駒は89頭。ホッカイドウ競馬の能力検査でも9頭が合格している。
そしてホッカイドウ競馬ということでは、サウスヴィグラス産駒は今年デビューする2歳馬が最後の世代。118頭が血統登録され、早くも18頭が能力検査に合格している。
そのサウスヴィグラス産駒では、おじにスクリーンヒーロー(ジャパンC)がいるピーチリキュール(牝・小野望厩舎)が4月15日のフレッシュチャレンジでデビューし3着。祖母がエーデルワイス賞、北海道2歳優駿を制したフェスティバルというスティールフェスタ(牝・角川秀樹厩舎)、シンコウラブリイ(マイルチャンピオンシップ)の近親となるラストヴィグラス(牡・田中淳司厩舎)など、血統的な注目馬がいる。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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