2020年04月30日(木) 18:00
マイラーズCを制したインディチャンプ(提供:デイリースポーツ)
マイラーズCはインディチャンプがV!福永祐一騎手の「マイルのチャンピオンホースにふさわしい走り」のコメント通り、王者の貫禄をみせつける完勝でした。騎手が馬を作っていくうえで、ずっと継続して騎乗していくことは大きな強み。しかし、自分ひとりでは得られないものもあると哲三氏は言います。自分ひとりではなかなか作れない“感覚”とは。自身の経験を交えてお話します。
(構成=赤見千尋)
マイラーズカップは1番人気だったインディチャンプが好位から危なげない走りで差し切り勝ち。馬も強かったですし、鞍上の(福永)祐一君は、先週の皐月賞に続いて2週連続で好騎乗を見せてくれました。
好スタートを切ってムリに抑えず、馬群の流れに乗るというよりも、馬の流れにしっかり乗れていた。馬の体幹に自分の体幹も繋がって、馬と騎手の体幹が一致しているように感じました。鞍上は馬に対して無駄なことをしない、馬自身も無駄なことをしない、そういうところで騎手と馬が一体感を持ってレースが出来ているなと。
これまでもインディチャンプはGI制覇をしていますが、成長段階で作って行く中で、あれをしてあげなきゃダメだな、これをしてあげなきゃダメだなという部分があったと思うし、悩みながら、いろいろなことを考えながらレースに挑んで来たと思います。そういう過程を踏んで、いよいよ馬が完成の域に達したのではないでしょうか。
その完成に近づいた要因の中に、祐一君がずっとレースに乗って来て、マイルチャンピオンシップに(池添)謙君が乗ったことがありました。外からレースを見て、こういうこともやっていいのかというのが見えたのではないかと。こういう感覚は自分一人ではなかなか作れないものなんです。
昨年のマイルCSは池添謙一騎手が騎乗し優勝(C)netkeiba.com
もちろん、ずっと自分が乗って、GIを勝って、生涯いい成績でいいコンビ、というのは理想です。でも・・・
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
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