【青葉賞】死角の大きいメンバー構成もタフさあるあの馬から

2020年05月01日(金) 18:00

本番では好走するも勝てない青葉賞組

 重賞になった1994年以降、青葉賞を直前のステップに(着順は問わず)、日本ダービーを2着した馬が「6頭」、3着馬も「4頭」いる。ただし、勝った馬はいない。

 最近10年の日本ダービーで3着以内に快走した30頭の直前Rは、「皐月賞…20頭」、「青葉賞…5頭」、「京都新聞杯…4頭」、「プリンシパルS…1頭」であり、青葉賞組の本番での人気は「10、5、8、12、1」番人気だった。本番で2-3着ならありそうな伏兵を探すレースだが、オーソリティ、フィロロッソ、フライライクバードの母の父に登場するシンボリクリスエスは2002年の青葉賞1着から、本番はタニノギムレットの1馬身差2着だった。そろそろ日本ダービー馬が誕生しても不思議のない世代になった。

 青葉賞組がどうしても勝てない理由のひとつは、それでなくとも活力の消耗を最小限にとどめる馬が多い現在、本番の4週前に(中3週)、東京2400mを激走する距離選択が楽ではないからだと考えられる。

 とすると、2月29日→4月4日に連続して2400mを走り、今回が2400mに連続3回目の出走となるフライライクバードは大丈夫だろうか。

 父スクリーンヒーローは4歳だった2008年の秋、「8月札幌2600m→9月札幌2600m→10月東京2400m→11月9日東京2500mAR共和国杯→11月30日東京2400mジャパンC」と進んでいる。最後は中2週、9番人気で快走した。

 母の父シンボリクリスエスも、青葉賞は3歳になって5戦目、日本ダービーは6戦目だった。本当はこのくらいの日程など平気なチャンピオンが求められる1面もあるが、さすがに日本ダービーは苦しいだろう。

 ただし、今回までは大丈夫とみてフライライクバード中心にするが、10月の新馬が馬体重472キロ。しだいに減って(絞れ)、前走はこれまでで最少の448キロ。それでも2週連続ビシッと追っているので元気いっぱいの予測だが、死角は大きい。承知で買うしかない。

 一方、登録馬2頭のうち、鞍上レーンの予定もあったサトノフウジンをプリンシパルSに回し、そのレーン騎手で出走してきたのがフィリオアレグロ(父ディープインパクト)。2015年の日本ダービー3着サトノクラウン(父Marjuマルジュ)の半弟。2戦目の共同通信杯を0秒7差3着している。この厩舎だけにローテーションは関係なく、身のこなしは軽いが、まだ幼い印象も拭えない。どうも今年は死角の大きい馬が多いように思える。

 距離が延びて良さが出てきたアイアンバローズ、ようやく勝って一気に変わったダノンセレスタ【1-4-0-0】を穴馬に加えて、手広く、でも深傷を負わないように参加したい。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

関連情報

新着コラム

コラムを探す