【NHKマイルC】圧倒的勝負強さ! 勝利を掴んだM.デムーロ騎手の読み

2020年05月14日(木) 18:00

哲三の眼

リアルインパクト産駒のラウダシオンが勝利(提供:デイリースポーツ)

NHKマイルCはラウダシオンが2番手から抜け出し1馬身半差で優勝! コンビを組んだM.デムーロ騎手は、昨年のアドマイヤマーズに続いてNHKマイルC連覇を達成。展開と馬場を読み、渾身の騎乗でパートナーを勝利へ導きました。展開、馬場傾向はもちろん、GIで重要な要素のひとつである“運”。今回はその運を引き寄せ、見事勝利を掴んだM.デムーロ騎手の騎乗を中心に振り返ります。

(構成=赤見千尋)

ミルコの騎乗ぶりに「やられたな…」

 NHKマイルカップは9番人気だったラウダシオンが、2番手から抜け出して勝利。騎乗したミルコ(デムーロ騎手)の展開読みと、当日の馬場傾向読みがハマった見事な騎乗でした。

 スタートしてレシステンシアとクリストフ(ルメール騎手)が逃げ、態勢が決まったかなというところ、スタートから1ハロンちょっと行ったところでクリストフに併せに行った。そこでミルコにやられたなと思いました。レース前から怖いとは思っていたけれど、おそらくそれほど前には行かないのではないかと、中団前か好位の後ろくらいからかなと思っていて、いろいろな考えの中で印を打つか迷って、結局買い目からは外していたんです。でもあの騎乗を見て、「これはもうやられたな…」と。

 ポジショニングをしっかり取って、レシステンシアのペースに真横で併せに行くという選択肢を選んだことが勝因でしょう。レシステンシアはパタッと止まる馬ではないから、差し馬にはキツイ展開になるだろうと読んで、でもレシステンシアにしても初めてのこともあるし、近くにいればという思惑もあったのでは。レシステンシアを負かせば、差し馬にはやられないという騎乗だったと思います。

 また、逃げたクリストフも上手い逃げ方をしていて、負けはしたもののさすがだなと。ミルコはクリストフの逃げを熟知していて、レシステンシアにクリストフが乗ったらどういう逃げをするのかということをイメージしている。そこをしっかり読み切っているし、レシステンシアより外の枠だったことも良かったのではないでしょうか。・・・

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佐藤哲三

1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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