2020年05月23日(土) 12:00
「栄冠は君に輝く」、この曲を知らないという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
少なくとも、ご自分が在籍された高校に野球部があった方ならご存知のはず。そういう方でなくても、メロディーを聞いたことぐらいはあると思います。
日本の夏の象徴と言ってもいいこの曲が、今年は聞けないことになってしまいました。全国高等学校野球選手権大会の中止は何とも残念。悔しい思いで一杯です。
そもそも、同大会が創設されたのは1915(大正4)年。東京六大学野球もプロ野球も、全国高校サッカーも箱根駅伝も全日本柔道選手権もなかった時代に、それらの先駆けとして始まりました。
つまり、日本の数あるスポーツイベントの中で、大相撲と競馬に次いで、長く歴史の糸を紡いできた大会です。それが今日まで連綿と続けられてきました(米騒動と第2次世界大戦による中止と中断がありましたが)。だから、誰が何と言おうと、高校野球は“特別”なのです。「こういう状況だからできない」ではなく、「どうやったらできるか?」をもっともっと考えてほしかったと思います。でも、「高校生の命を守るため」と言われたら、どうしようもないのかもしれませんね。
夏の高校野球の中止は、競馬で言えば、オークス、ダービーが取りやめになるようなもの、でしょうか。「それは不謹慎だろう」と言われてしまいそうですが、そのことが後々にさまざまな影響を及ぼす、という点では共通するはずです。
競馬は、無観客ながら開催を続けています。これはとても意義のあること。オークス、ダービーを目前にして、改めてそう感じているところです。
で、今週はオークス。有利とされる内枠に、人気になりそうなデゼル、クラヴァシュドール、デアリングタクトが入りました。このうちのどれかを軸にするのが正攻法なんでしょうね。
でも、やっぱり穴馬を探したくなるのが私の性分。最近10年のレースで1〜3着に来た穴馬(6番人気以下の馬。計8頭)の成績などを見比べてみました。それらをまとめると2つのパターンがあるようです。
A=新馬戦を勝てなかった馬。6頭いて、そのすべてに東京の出走経験があり、前走はフローラS、スイートピーS、忘れな草賞。オークス出走時の馬体重は436〜468kgだった。
B=新馬を勝った関西馬。2頭いて、前走は桜花賞(2着と11着)。東京の出走経験はなく、オークスでの馬体重はともに478kgだった。
そして8頭すべてがキャリア4〜8戦、7頭までが2、3勝馬でした。
パターンAにあてはまるのはリリーピュアハート、パターンBに近いのはウーマンズハートですかねぇ。馬体重からすると前者、馬番を考えると後者、っていうことになるんですけど、さぁ、どうしましょうか……。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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