2020年05月22日(金) 18:02
近年、過半数の馬が乗り替わりになるレースは珍しくないが、感染防止のための土日のジョッキー移動制限により、内からロードレガリス(池添謙一)、ハヤヤッコ(斎藤新)、オメガパフューム(北村友一)、ゴールドドリーム(藤岡佑介)、スマハマ(坂井瑠星)、ミツバ(松若風馬)、マグナレガーロ(北村宏司)、アッシェンプッテル(太宰啓介)。
8頭もが、単なる乗り替わりではなく「テン乗り」になった。それもほとんどが有力馬であり、新しい1面が引き出される可能性が生じたと同時に、さすがに8頭もテン乗りとなると、マイナスにつながる危険も大きい。あまり荒れないダートの別定重賞だが、今年はそうとはいえないだろう。
その中でヴェンジェンス(父カジノドライヴ)は幸騎手のお手馬。ここまでの全7勝をコンビで記録し、通算【7-6-2-7】。フルに良さが発揮できるはずだ。
それだけではなく、パワー型というより時計勝負、切れ味勝負型。3走前のチャンピオンズCの自身の上がり3ハロンは35秒6。2走前の東海Sは35秒7だった。今週の京都のダートコンディションは合う。
また、今回は3カ月の休み明けだが、骨折で1年半の休養明けだった4歳初戦を別にすると、2カ月半-3カ月程度の短期休養明けは、新馬を含めて【4-1-0-0】。ポン駆けには抜群の良績がある。
昨年10月、初の1800mをこなして2着したのが京都コースの太秦S(重)。続く「みやこS」で初の重賞制覇を果たしたのも京都のダート1800mだった。だいたい5番人気前後と思えるが、軽いダートの印象を与える今週の京都なら、逆転の追い込みが狙える。
今春、すでに昨年夏に早世(14歳)していたことが伝えられた父カジノドライヴ(その父 Mineshaftマインシャフト)は、残念ながら活躍産駒はあまり多くなく、このレースにそろって出走するヴェンジェンス、ヒロブレイブが代表格になる。2戦目にいきなりUSAに渡って勝ったのがダート9FのGIIピーターパンS。産駒のこなせる距離の幅は広いが、今回のダート1900mはヴェンジェンスにとってベストに近い距離と思える。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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