【安達太良S】4歳馬優勢のレースであの馬が巻き返す

2020年07月03日(金) 18:00

近親に実力馬も多く、勢いある血統

 週末土曜日の天気は、北海道、東北の北部以外には雨予報が出ている。近年「稍重-重馬場」で行われた3回のこのレースの勝ち時計は「1分44秒0、1分43秒7、1分44秒1」だった。

 福島ダート1700mのレコードは、昨年の安達太良Sを2着した当時3歳馬のビルジキール(父キングヘイロー)が、このレースの前に2勝クラスの猪苗代特別を先行して抜け出した際の1分43秒1であり、速いタイムの決着になるほど、若いグループ有利の傾向がある。

 ダート部門の世代交代(上級クラス)は以前より早まり、たまたま…程度の傾向にすぎないが、最近5年間の勝ち馬のうち4頭が4歳馬だった。

 入念に乗り込んで好仕上がりの4歳馬ヴァイトブリック(父シンボリクリスエス)に注目したい。3歳春はヒヤシンスSでオーヴァルエース(3戦全勝のあと休養中)の2着、兵庫チャンピオンSでクリソベリルの2着など、強敵相手に【0-2-0-2】だった。

 そのあとはスタートの失敗、道中の不利などで凡走しているが、1400mの前回と3走前は距離が合わなかった印象がある。入念に乗って立て直した今回は、現時点ではベストに近いと思える右回りのダート1700m。一変の巻き返しが期待できる。

 勢いのあるファミリーであり、イトコの間柄になる6歳牝馬ディアドラ(父ハービンジャー)は、日本時間の5日の深夜、イギリスのG1エクリプスSで、エネイブル、ジャパン…などと対戦する。2009年の日本ダービー馬ロジユニヴァースともイトコの関係。

 同じような血統背景になる母の半弟ランフォルセ(父シンボリクリスエス)は、ダートで11勝(重賞4勝)し、とくにダート1700mには【4-1-0-0】の良績があった。ただ一度の2着が、2010年の福島の横手特別ではあるが、当時はまだ本格化前で4番人気だった。

 それほど人気にはならないと思える。キャリア豊富というほどではないので、外枠を引いたこともプラスに考えたい。

 人気の4歳グランデストラーダ、4歳エクリリストワール、4歳ブランクエンドは一応素直に評価するが、穴馬フラワーストリーム、ハヤブサレジェンド、ジェミニズにも少し手を伸ばしたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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