ようやくファンの前で騎乗する新人騎手

2020年07月21日(火) 18:00

YJSがファンの前で開催されることを願う

 今年で4年目となるヤングジョッキーズシリーズがようやく始まった。このコラムが公開されるときにはトライアルラウンド盛岡が終わっているが、原稿を書いているのはもちろんその前。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、トライアルラウンドでは5月12日の川崎、6月9日の金沢が中止となった。実のところいくつかのトライアルラウンドができなければシリーズ全体が中止になる可能性もあるのではとも思っていたが、すでに終了した盛岡を含め10場でのトライアルラウンドとファイナルラウンドは無事に行われることになりそうだ。

 ヤングジョッキーズシリーズで大きな変更点としては、これまでの3年は大井と中山でファイナルラウンドが行われてきたが、今年は園田と阪神になったこと。以前から噂話のレベルでその可能性は聞いていたが、4年目にして初めて関西でのファイナルラウンドとなる。

 昨年までファイナルラウンドは、地方・中央各7名、計14名によって争われていたが、園田競馬場はフルゲート12頭のため、ファイナル進出は6名ずつ計12名と少なくなるのかと思っていたら、そうではなかった。地方・中央各8名ずつ、計16名と逆に門戸が広がった。ファイナルラウンドの要項がまだ発表されていないのでわからないが、少なくとも園田では全員が一緒に騎乗することはできず、3つのレースのうち各騎手2レースに騎乗とかになるのだろうか。いずれにしても、中央の大舞台を経験できる地方騎手が増えるということでは励みになるのではないか。

 トライアルラウンドは東西に分かれて争われるところ、騎手それぞれの騎乗数をできるだけ同じにするということでは、その調整で毎年苦労の跡がうかがえる。地方競馬では昨年デビューした新人騎手から、騎手候補生の募集が年2回となって新人騎手が増えた。それゆえ今年は出場する人数に、地方・中央でかなり差ができた。東日本は、地方が16名、中央が8名。西日本は、地方が15名、中央が8名(大塚海渡騎手は落馬負傷で出場辞退)。

 昨年までは基本的に1つのレースで地方・中央の騎手は半々の人数で騎乗していたが、今年はさすがにそれが難しくなり、ほとんどのレースで中央より地方の騎手が2名多い組み合わせとなっている。たとえば14頭立てなら地方8名・中央6名、12頭立てなら地方7名・中央5名という具合だ。

 それでも地方騎手が騎乗できるのは、現状で4レースか5レース。騎乗したレースのうち上位着順を得た4レースのポイント合計で争われるので、地方騎手は下位着順になると、それがそのままポイントに反映される。

 対して中央の騎手は、東日本は6レースか8レース騎乗でき、西日本は服部寿希騎手のみが4レースで、それ以外の騎手は6レース騎乗できる予定となっている。

 ただこれはあくまでも予定で、負傷や騎乗停止などによる欠場があれば、別の騎手に騎乗機会が割り振られることになる。

 さて、今年もっとも喜ぶべきことは、地方競馬では順次、お客さんを入れての開催が始まっているということだろう。岩手競馬では、7月12日の盛岡開催からファンが入場しての競馬が行われている。

 無観客開催が始まったのは2月末から。つまり、今年デビューした新人騎手は、地方も中央もまだお客さんを前にしての競馬を経験していない。トライアルラウンド盛岡に出場した騎手では、川崎の池谷匠翔騎手、古岡勇樹騎手、中央では秋山稔樹騎手、小林脩斗騎手、原優介騎手が、はじめてお客さんの前での競馬を経験することになった。

 とはいえ地方競馬でもファンの入場が可能になったのは、ここまでのところ岩手とばんえいだけ。このあとヤングジョッキーズシリーズは、8月13日が園田、8月20日が門別となるが、ヤングジョッキーたちの争いがファンの前でできるようになっていることを願いたい。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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