【新潟日報賞予想】平坦巧者一族出身の実力に期待

2020年07月31日(金) 18:00

腰の甘さが解消されると才能が花開く

 2場開催のため、除外馬が14頭も出たフルゲート「18頭立て」のハンデ戦。実質のハンデ頭に相当するのは、馬齢重量より1キロ軽い「56キロの牡馬ジョーアラビカ、54キロの牝馬ミュージアムヒル、同じくムーンチャイム、同じくレノーア」の4頭になる。重いハンデのグループが、みんな馬齢重量(定量)より軽いという点ですでに波乱含み。

 ハンデ戦になった2013年以降の7年間、1番人気馬は【0-3-1-3】と健闘しているが、3連単の最低配当は昨年の7万5190円で、10万円以上が4回含まれる。馬場は回復しそうだが、ごく順当という結果は、まず今年もないだろう。

 前走、6月21日の多摩川S(東京1400m、定量戦)に出走していた馬が6頭もいる。前後半「36秒1-(11秒8)-34秒2」=1分22秒1は、東京の1400mに出現することの多いスローペースで、人気薄の先行タイプが上位3着までを占めた波乱のレースだった。

 追い込みながら0秒1差の5着にとどまったハーツクライ産駒のアフランシール(当時3番人気)の巻き返しに期待したい。中団より後方に控えて進み、上位ではトップの上がり33秒5を記録しながら届かなかったが、位置取りが悪かったというより、坂での反応が思わしくなく、坂を上がってから一気に伸びている。

 姉のブランボヌール(父ディープインパクト)も、弟のビアンフェ(父キズナ)も函館2歳Sの勝ち馬。母ルシュクルの半弟ダコール(父ディープインパクト)は、新潟大賞典1着を含む重賞3着以内7回を記録したが、それはすべてローカルの平坦コースだった。

 アフランシールは典型的な平坦一族であると同時に、父ハーツクライもドバイで圧勝した隠れた平坦巧者。その母アイリッシュダンス(父トニービン)の重賞2勝は、新潟大賞典、新潟記念だった。ハーツクライ産駒は遅咲きタイプが多いと同時に、最初のうちはちょっと腰の甘い産駒が多いようなところがある。

 アフランシールは函館の芝1800mの新馬を、中位から上がり最速の34秒5で抜け出して快勝している。3走前には直線が平坦の京都で勝っている(川田騎手)。そう置かれるタイプではなく、18頭立ての1番枠も死角ではないだろう。前走から2キロ減の53キロもかなり有利なハンデと思える。

 前回の切れが目立った牝馬ムーンチャイム、多摩川Sで好勝負だったレノーア、同じハーツクライ産駒のミュージアムヒル。以下シトラスノート、レジーナドーロなど相手にも牝馬を主力に選びたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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