連勝の勢いままにサマーチャンピオンへ!キャプテンハウテンの普段の姿

2020年08月04日(火) 18:00

馬ニアックな世界

▲今回の主人公はこちらのキャプテンハウテン!(提供:三小田幸人調教師)

8月12日、佐賀競馬場で行われるサマーチャンピオン(JpnIII、ダート1400m)の出走予定馬が発表され、JRAからはコパノキッキングが武豊騎手とのコンビで参戦予定と、注目を集めます。

このレースはハンデ重賞ということもあり、過去10年中6年で地方馬が3着以内に入って万馬券を演出しました。そこに今年、地元有力馬の1頭として出走するのがキャプテンハウテン。大井の1000m-1400mで11勝を挙げて今年、佐賀に移籍してきました。短距離馬でありながら管理する三小田幸人調教師は「おとなしくて、本当に短距離馬かな?って思うくらい」と話しますが、その性格こそがレースの幅を広げています。

三小田調教師のカメラに興味津々の可愛いキャプテンハウテンの写真とともに、彼の「ちょっと馬ニアックな世界」を覗いてみましょう。

「ドラゴンゲートと代わりばんこで使いたい」

 今年7月の佐賀・大分川特別(1400m)。キャプテンハウテンは山口勲騎手を背に好スタートから2番手に控え、3コーナーで先頭に立つとそのまま押し切って7馬身差で勝利しました。

 JRAでデビューし、未勝利のまま南関東に移籍したキャプテンハウテンは、大井で1200mを中心に11勝を挙げた馬。佐賀移籍初戦は力の違いを見せた一戦となりました。

 中1週で迎えた2戦目は1800mの準重賞・大村湾賞。初めての距離でしたが、ハナを奪った後はすんなり折り合ってスローペースに落とし、直線では後続を突き放して4馬身差で勝ちました。

馬ニアックな世界

▲大村湾賞を圧勝したキャプテンハウテン(提供:佐賀県競馬組合)

 移籍後、強い競馬で連勝する姿は、同厩舎で11連勝を遂げたドラゴンゲートの姿と重なります。

「馬主さんが同じで、ドラゴンゲートと代わりばんこで使いたいということで、佐賀に連れてきてくださいました」と、両馬を管理する三小田調教師はキャプテンハウテン移籍の経緯を話します。ともに短距離を主戦場とし、佐賀での活躍が大いに期待されました。

馬ニアックな世界

▲キャプテンハウテンを管理する三小田幸人調教師(提供:佐賀県競馬組合)

 しかし、ドラゴンゲートは7月19日の重賞・吉野ヶ里記念でまさかの3着。勝ち馬からは3馬身半離されてのもので、佐賀移籍後、初めて土がつきました。

 三小田調教師は意気消沈といった声色で「あんなに負けるはずがない……と思って見ていました。その後、蹄をケガしていることが分かって、本当はキャプテンハウテンと2頭でサマーチャンピオンに出走させたかったのですが、難しいかもしれません」と話しました。

エアコン付きの馬房でリラックス

馬ニアックな世界

▲馬房で涼むキャプテンハウテン(提供:三小田幸人調教師)

 ドラゴンゲートについてはとても残念ですが、キャプテンハウテンの走りが楽しみなことに変わりはありません。

「調教からガンガン行くタイプ」というドラゴンゲートに対して、キャプテンハウテンは「おとなしくて、全然手がかかりません」といいます。

「いまは山口騎手が調教をつけていますが、移籍してきた頃は私が調教に乗っていました。めっちゃ乗りやすくて、乗り味もいいです。だれが乗っても『乗りやすい』という馬だと思います」

馬ニアックな世界

▲おとなしく乗り味もいいキャプテンハウテン(提供:三小田幸人調教師)

 元騎手の三小田調教師は、現役時代を振り返っても「短距離馬はドラゴンゲートみたいにガンガン行く馬が多かったです」とのことですが、キャプテンハウテンの乗りやすさは長所にもなっています。

「掛かっていくような馬じゃないので、すぐに折り合うんですよね。だから、番手競馬でもできますし、大井で1400m戦を勝った時も3番手内から勝っています」

 前目でレースを運ぶことが多い馬は、砂を被るのを嫌がることもありますが、実際に大井の1400m戦で勝った時や、中団から差して2着の時などは砂を被ってもしっかりと走っていました。

 今度のサマーチャンピオンではコパノキッキングなどJRA勢が逃げ・先行集団を形成する可能性が高いですから、この点は強みになりそうです。

「いま、この馬なりに調子がいいです。まだ夏負けもしていませんし、キャプテンハウテンの馬房にはオーナーがエアコンをつけてくださったので、快適に過ごしています。

 JRAのメンバーを見ると、なかなか強いなと思いますが、調子がいいので、なんとか見せ場をつくれればいいなと思っています」

馬ニアックな世界

▲人懐っこいキャプテンハウテンの快走に期待(提供:三小田幸人調教師)

 暑さをしのげる快適な馬房で三小田調教師がカメラを向けると、興味津々に鼻をすり寄せてきました。人懐っこそうなキャプテンハウテン。ぜひサマーチャンピオンで熱い走りを期待しています。

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大恵陽子

競馬リポーター。競馬番組のほか、UMAJOセミナー講師やイベントMCも務める。『優駿』『週刊競馬ブック』『Club JRA-Net CAFEブログ』などを執筆。小学5年生からJRAと地方競馬の二刀流。神戸市出身、ホームグラウンドは阪神・園田・栗東。特技は寝ることと馬名しりとり。

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