【日本海S予想】珍しく多頭数で傾向変化の予感

2020年08月21日(金) 18:02

ローカル平坦で存在感示す“ハーツ産駒”に期待

 例年は頭数も多くなく、平穏なレース。ただし、今年は珍しく16頭立て。内回り2200mは最初のコーナーまで約600mもあるが、そこからは1周約1600mの小回りコースを使用するので、本当は難しい距離。先行(逃げ)残りが連続しているが、今年はちょっと違うかもしれない。ここが格上がり初戦になる馬が4頭。前走、このクラスで掲示板に載らなかった馬が11頭、4着だった馬が1頭という難しい対戦でもある。

 条件クラスでは、ローカルの平坦に近いコースを歓迎する種牡馬ハーツクライ(19歳)産駒が3頭出走する(アストラサンタン、トラストケンシン、ローズテソーロ)。

 ハーツクライは1歳下のディープインパクトと同じ2010年からその産駒がデビュー。最初は目立たなかったが、初年度産駒が5歳になった2013年以降の総合ランキングは崩れることなく、今年を含め「5、3、3、4、4、3、2、3」位。後継種牡馬は、ウインバリアシオン、ジャスタウェイ、ワンアンドオンリー、シュヴァルグラン、スワーヴリチャード…。少しずつ増えている。

 必ずしもエース種牡馬とはいえないところもあるが、2週前にはタイムフライヤーがエルムSを制し(2場で3勝)、先週は母の父としてトロワゼトワルが関屋記念を快走するなど(3場で3勝)、この夏も確実にその存在を示している。

 ハーツクライの母アイリッシュダンス(父トニービン)は、新潟デビューで、1995年の新潟記念を制すなど新潟芝は【3-1-0-2】だった。福島で行われた新潟大賞典も勝っている。

 母の妹スピードアイリス(父ミスターシービー)も、新潟の関越S(ダート)2着、福島放送賞1着などのローカル巧者だった。

 名繁殖牝馬My Bupersマイビューパーズ(1967年USA産)から発展するファミリーというくくりでは、アエロリット、ダイヤモンドビコー、日曜の札幌記念のラッキーライラック…などと同じファミリーに属するのがハーツクライでもある。

 ハーツクライ産駒3頭にはみんな新潟経験があるが、新潟で勝っているのは4歳ローズテソーロ。昨年の両津湾特別1800m(1勝クラス)を上がり32秒2で快勝し、紫苑S6着のあと強気に秋華賞に挑戦。0秒8差の6着だったが、人気のダノンファンタジー、エスポワール、コントラチェックなどには先着している。佐渡Sを叩いて中間の動き上々。祖母はオグリキャップの半妹オグリローマン(1994年の桜花賞馬)。まだ上昇するだろう。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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