2020年08月27日(木) 18:00
北九州記念を制したレッドアンシェル(提供:デイリースポーツ)
先週行われた北九州記念は福永祐一騎手騎乗のレッドアンシェルが、札幌記念は横山典弘騎手騎乗のノームコアが勝利しました。両騎手の手綱捌きは“ベテランの経験が裏打ちされていた”さすがの騎乗だったと哲三氏。今回はこの2つの重賞をそれぞれ振り返ります。
(構成=赤見千尋)
先週は北九州記念と札幌記念がありましたが、どちらもベテラン騎手の経験に裏打ちされた騎乗ぶりが目立ちました。まず北九州記念は8番人気だったレッドアンシェルが久しぶりに勝利。小倉の1200mで混戦模様のメンバーで、こうやったら勝つだろうなというレースをして、本当にそのまま勝ってしまうところがファインプレーだと感じます。
そういう部分は、鞍上の(福永)祐一君の経験値が大きいなと。今回のこの馬の調子なら、こうやって乗れば勝ちに近いだろうな、というところをズラさない。レースでは中団前くらいの位置で、それほどポジションを取らずという中でもポジションを取っている。ここは重要だと思います。
自然な流れの中で差し切って、勝つ時はこんな感じだよねという勝ち方でしたが、そこはレース中だけではなく、「ブリンカーを着けてみましょうか」と提言して、厩舎サイドと話し合ったことが効いたなと。枠なども含めてバランスよく進めたのは、レースを上手く乗ったということ以上に、その馬のことを知っているから勝てた、という印象です。
その馬自身のことをしっかり把握して、その上でシンプルにやりたいことが出せた。毎回毎回勝てるわけではないし、知り過ぎることが逆効果になることもあるけれど、勝てるところでしっかり勝ち切る、結果を出す、というところもファインプレーでしょう。・・・
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
プロフィール
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