2020年10月31日(土) 19:00
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
東京の芝はAコース使用の前3週から替わり、内3m地点に内柵を設置したBコースに変更。見た目に内ラチ沿いが多少傷んで見える部分もあるが、柵の効果で先週までに傷んだ内寄りはほぼカバーされた。JRAが午前7時に測定したクッション値は「9.2」(標準)。
雨の影響を受けた前3週は時計がかかって力を要し、開催日によっては4コーナーから直線で重くなった内寄りを避けて通るシーンもあったが、今週は傾向がガラリと変わった。少なくとも内寄りを避けて走る場面はなかった。晴天が続いている影響も大きいのだろう。
時計の出方は昨秋並みとはいかないまでも、明らかに速くなっている。パワーが必要だった前3週とは一転して、瞬発力型の舞台になっている。
土曜は、芝競走は6鞍。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、7番手、8番手、10番手、14番手、2番手」。逃げも決まれば、後方一気もあり。多彩な決め手の1日となった。
2R・2歳未勝利戦(芝1600m)は1番人気の良血ブエナベントゥーラが内ラチ沿いを通って逃げ切った。力があれば、イン粘りも十分に利く。
逆に10R・キタサンブラックメモリアル(芝1600m、3歳上3勝クラス)は後方14番手にいた9番人気トラインが上がり3F33秒3の強烈な決め手で一気差し。勝ち時計1分32秒8。先週の重賞の富士S(GIII)を勝ったヴァンドギャルドが良馬場施行で「1分33秒4」だったことを考えると、マイル換算で1秒近くは時計が速くなっている。
日曜は引き続き好天予報。アーモンドアイが1分56秒2で制した昨秋並みに速い時計が出るかは先行馬の兼ね合いもあるので微妙だが「1分57〜58秒台」は出る。同じ良馬場でも土曜より時計が出やすくなる可能性もあり、瞬発力は不可欠。先週までの東京のイメージは変えた方が良さそうだ。
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小田哲也
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
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