JBCの20年で充実したダート血統

2020年11月03日(火) 18:00

ダート競馬の地位もかなり向上


 この原稿を書いている時点でまだ結果はわからないのだが、JBCが20回目を迎えた。この20年を振り返ると、芝に対してダート競馬の地位もかなり向上した。そもそもJBCは、それこそを目的に創設された経緯があるので、その役割はかなり果たしたと言っていいだろう。

 日本のダートで活躍した馬が種牡馬となって、その産駒がまたダートで活躍する。20年前にはほとんどなかったこと。そもそも芝の競馬ですら、内国産の種牡馬がランキングの上位のほとんどを占めるようになったのは、サンデーサイレンス産駒が大量に種牡馬になってからだから、まだ30年に満たない。

 あらためて第1回(2001年)のJBC出走馬の種牡馬を見ると、スプリント出走馬(14頭)の種牡馬で日本の競馬を走っていたのは3頭。そのうちタヤスツヨシ、フジキセキの2頭は、ともにサンデーサイレンスの初年度産駒だ。

 クラシック出走馬(15頭)では、エイシンサンディ、ギャロップダイナ、ペキンリュウエン、フジキセキ、ゴールドレットの5頭。エイシンサンディは出走歴はないが、内国産で血統登録はされた。サンデーサイレンスの2年目の産駒で、サンデー産駒が大活躍を始めた時期だっただけに、不出走でも種牡馬になれたのだろう。ゴールドレットは名古屋・笠松で重賞を多数制した地方出身で、それで種牡馬になったのは珍しい。数少ない産駒の中から、名古屋所属として東海Sを制したゴールドプルーフが、この第1回JBCクラシックに出走していた。

 そして今年のJBC出走馬の父を見ると、当然のことながら日本の競馬を走った馬が多くを占めている。

 まずは今年第1回となったJBC2歳優駿は14頭立てで、国内で出走した種牡馬が10頭。そのうちダートの活躍馬がクロフネ、カジノドライヴ、トランセンドと3頭いる。

 レディスクラシックは15頭立て。国内出走種牡馬の産駒は9頭で、そのうちダート活躍馬は、クロフネ2頭とゴールドアリュールが1頭。

 スプリントは16頭立てで、国内出走種牡馬の産駒は10頭。さすがにダート短距離はサウスヴィグラスの牙城で4頭、ほかにヴァーミリアン、カネヒキリと、日本のダートで活躍した種牡馬の産駒が6頭もいる。

 クラシックは15頭立てで、国内出走種牡馬の産駒は半数以下の7頭(外国馬としてジャパンCに出走したバゴは除く)だが、そのうちダート活躍馬はゴールドアリュールが2頭とカジノドライヴ。

 やはり、近年の地方ダートの種牡馬ランキングで上位不動のゴールドアリュール、サウスヴィグラスの活躍が目立つ。ただ残念なことに、ともに今年の2歳世代が最後の産駒。ゴールドアリュールの現2歳世代は血統登録された産駒がわずか4頭なので、産駒頭数が多いのは現3歳世代まで。

 ゴールドアリュール自身はJBCには出走していないが、その産駒ではスマートファルコン、コパノリッキーがともにクラシックで連覇を果たし、エスポワールシチー、グレイスフルリープがスプリントを、ララベルがレディスクラシックを制した。そして種牡馬となったスマートファルコン、エスポワールシチーはその産駒から、地方ではあるもののすでに多くの重賞勝ち馬を出している。またコパノリッキーは来年デビューする初年度産駒は138頭が血統登録されている。

 サウスヴィグラスでは、産駒のコーリンベリーがJBCスプリントを制し、父仔制覇を果たした。

 さらに自身は芝での実績だが、キングカメハメハの産駒からはダートの活躍馬も多数出ていて、ホッコータルマエ、チュウワウィザードがJBCクラシックを、タイセイレジェンドがスプリントを制した。そして今年、初年度産駒がデビューしたホッコータルマエの産駒では、ダイセンハッピーが10月27日の名古屋・ゴールドウィング賞を制して重賞勝利第1号となっている。

 JBCの歴代勝ち馬、そして今年の出走馬を見ただけでも、日本のダート血統の発展がわかる。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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