【キャピタルS予想】前走でオープン通用にメド 本格化期待のあの馬を狙う

2020年11月27日(金) 18:00

父系・母系ともに貴重な血統 ファミリー発展の役割を果たしたい

 3歳アドマイヤビルゴが勝ち、4歳クラージュゲリエが2着した先週11月21日の「アンドロメダS2000m」、4歳プールヴィルが勝って、3歳スマイルカナが2着した先々週11月15日の「オーロC1400m」と同じ、3歳上古馬のリステッドレース。

 1600mなので、先週のGI「マイルCS」には出走のかなわなかったグループの組み合わせになる。メンバー有利とみてここを狙ってきた6歳ソーグリッタリング(父ステイゴールド)、5歳ダノングレース(父ディープインパクト)など、5歳以上のベテランを軽視するわけにはいかないが、互角の可能性とみるなら、まだこれからの展望が大きく広がる4歳馬が狙いの中心だろう(3歳馬はいない)。

 4歳ピースワンパラディ(父ジャングルポケット)の本格化に期待したい。春5月の湘南S(3勝クラス)を勝ってオープン入り後、GIIIエプソムCを0秒4差(7着)、GIII新潟記念も0秒5差(7着)。ちょっとカベがあった印象だが、前走のポートアイランドS(L)は最速の上がり33秒8で猛然と伸びてクビ差同タイム2着の1分33秒0だった。目立たない時計だが、開催最終日の芝と、ずっと外を回った展開、さらに後半6ハロン連続してハロン11秒台だったきつい流れを考えると、オープンで通用のメドは立った。

 2000m以上は【0-1-2-1】だが、これで1600mは【3-2-0-0】。快速タイプとはいえないところはあるが、心もちタイムを要する芝ならチャンス十分。現在の少し時計のかかる東京の芝は合っている。相手もそう強力ではない。

 父ジャングルポケット(その父トニービン)の父系は、現代の4大父系に入るNasrullahナスルーラ系だが、日本で大きな時代を築いたGrey Sovereignグレイソヴリン分枝は、存続が危ぶまれるほど勢いを失っている。スノードラゴン(5代前がグレイソヴリン)、ジャングルポケット(5代前がグレイソヴリン)と、その直仔オウケンブルースリ、トーセンジョーダンが残っているくらいになってしまった。

 父系の巻き返しは難しいかもしれないが、ピースワンパラディの牝系は名門で母クリアソウル(父アグネスデジタル)は、近年のこの一族の代表馬ホエールキャプチャといとこの間柄。ファミリーを発展させる役割は果たしたい。

 同じ4歳カテドラル(父ハーツクライ)、同じく復調気配の4歳ロードマイウェイ(父ジャスタウェイ)が相手本線。4歳ウーリリ(父ディープインパクト)、前出のベテラン組2頭などの5歳馬を伏兵にしたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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