2020年12月01日(火) 18:02
▲予後不良となってしまったブラックスピネル、忘れられない思い出を語ります (C)netkeiba.com
今週も読者の方からいただいた質問にお答えします。障害デビュー戦で骨折し、予後不良となってしまったブラックスピネル。ミルコ騎手が騎乗したのは2回でしたが、初騎乗の東京新聞杯はブラックスピネルにとって重賞初タイトルとなった大切な一戦です。「すごくカッコいい馬だった」、ミルコ騎手が忘れられない思い出を語ります。
(取材・文=森カオル)
※このインタビューは電話取材で行いました。
ミルコ (予後不良を)聞いたとき、すごく悲しかった…。確かに乗る機会は少なかったけど、ブラックスピネルのことはめっちゃ覚えてる。
──騎乗したのは、2017年の東京新聞杯(1着)と次走のマイラーズC(4着)の2回ですが、どんな思い出がありますか?
ミルコ 一番覚えているのが、東京新聞杯の前に調教に乗ったときのことです。(ブラックスピネルが所属していた)音無厩舎の最終追い切りはいつも坂路でするけど、あの馬、めちゃめちゃ動きましたね。たぶん(4F)49秒台で……。
──49秒台!? それはすごい!
ミルコ う〜んとね、確か49秒8…だったと思う。
──ミルコさん、すごい記憶力ですね。今調べたら、おっしゃる通り49秒8でした。
ミルコ でしょ? めっちゃ飛んでいたから、「この馬すごい!」と思ったんだけど、それ以上に「なにこの馬!?」ってビックリした。
──乗り手の方が加減しているケースもあるでしょうが、51秒台ですらなかなかお目にかかれない時計ですからね。
ミルコ うん。49秒台なんて見たことがなかった。ホントにすごい時計だった。しかも、持ったままだよ。僕は何もしていない。何もできないまま、持っていかれた(苦笑)。で、時計を見てビックリ!「なにこれ!?」って(笑)。そのときは初めて乗ったからスプリンターかと思ったけど、レースに行ったら全然違ったね。マイルでいいレースをする馬だった。
▲ブラックスピネルの重賞初タイトルとなった東京新聞杯 (撮影:下野雄規)
──わたしがすごく記憶に残っているのは、テン乗りの東京新聞杯で、それまで逃げたことがなかった馬を逃げさせたことです。ポンとスタートを切って、そのまま逃げ切って。・・・
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ミルコ・デムーロ
1979年1月11日、イタリア生まれ。弟のクリスチャン・デムーロはイタリアのジョッキー。1997年から4年連続でイタリアリーディング。1999年に初来日。2003年、ネオユニヴァースの皐月賞でJRAGI初制覇。続くダービーも制し、外国人ジョッキー初の東京優駿制覇。2015年3月1日付けでJRAジョッキーに。
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