2020年12月11日(金) 18:00
血統面からマイラーとしての資質の高さを感じるメイケイエール(c)netkeiba.com
『パーフェクト種牡馬辞典』での今年のファーストシーズンサイアー予想は、◎ドゥラメンテ○ミッキーアイル▲リオンディーズ★モーリスとしました。
今のところモーリス(34700.5万円)とドゥラメンテ(33045.6万円)が激しい首位争いを繰り広げており、3位リオンディーズ(17472.6万円)、4位ミッキーアイル(15785.6万円)とつづきます(JRAランキング)。
ただし出走頭数でいうと、モーリス99頭、ドゥラメンテ93頭、リオンディーズ71頭に対しミッキーアイルは43頭。アーニングインデックスでは1〜3位を凌いでいます。出走頭数は半数ながらも、メイケイエール(ファンタジーS,小倉2歳S)、デュアリスト(兵庫ジュニアグランプリ)と重賞勝ち馬を2頭出し、上位にランクインしているわけです。ちなみに1〜3位はまだ重賞勝ち馬は出していません。
ミッキーアイルはディープインパクト×ロックオブジブラルタル×ヌレイエフですから血統的にはマイル〜中距離で、現役時は二つのマイルGI(マイルCSとNHKマイルC)を制しましたが、一本気な気性と卓越したスピードで短距離の大レースでも度々好走しました。
産駒もここまでJRAで計11勝をあげていますが、うち10勝が1400m以下で、10勝が逃げ先行。デュアリストの兵庫ジュニアグランプリも逃げ切り勝ちで、やはり一本気に先行する産駒が多い印象です。
メイケイエールはサンデーサイレンス3×4、デインヒル4×4、ヌレイエフ≒トップサイダー4×5など強力な「父母相似配合」になっており、完成が早くスピードや前向きさを増す配合パターンですから、狙いどおりのマイラーが出たといえるでしょう。
父を細身にしたような体型で、しなやかな体質やバネのきいた走りを見ても、マイラーとしての資質の高さは疑いようがないのですが、父譲りの燃えやすい気性も相当なもの。前走ファンタジーSではスタート後すぐにガツンと行きたがってしまいました。
1400mのHペースでも、武豊騎手でも制御できないほどの行きっぷり。今回は更に200m延びて阪神外1600mですから、さすがに同じケイバでは最後苦しくなるでしょう。このメンバーでもエンジン性能は抜けているといっても過言ではないのですが、それだけに道中吹かしてしまうとガス欠の心配がつきまといます。
すごいエンジンと燃えすぎる気性の才女メイケイエールを、名手武豊がどう乗りこなすか。今年の阪神JFの最大の見どころといえますね。
■プロフィール 望田潤(もちだじゅん) 育成牧場従業員を経て競馬通信社編集部に在籍。現在はフリーで、大阪日刊スポーツなどに血統コラムを連載中。大手馬主の配合コンサルタントもつとめる。血統予想の面白さを広めるため、血統がモノを言う2歳〜3歳の重要なレースを中心に予想。
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