▲高橋亮調教師が、引退したスカーレットカラーへの想いを語る (撮影：大恵陽子)

無事に走り終えてから「引退」と発表したかった

――“マイル最強メンバー”とも謳われた今年のマイルCSは直線で先頭に立ちそうな場面もあっての4着。敗れはしましたが、興奮の内容でした。

高橋亮調教師(以下、高橋師)　ホントよく走りましたよね。マイルCSもその前の天皇賞・秋も強い馬がゴロゴロいましたけど、今年はマイルCSの舞台が阪神でしたから。

　少しでも時計がかかった方がいいなっていう思いがあって、マイルCSが阪神で行われると発表になった時から「京都よりは向くんじゃないのかな」って思っていました。こないだのマイルCSでも十分速いには速かったんですけど、うまくそこに使えてよく最後までがんばってくれました。

――外めの枠ながら、道中は気づいたら内ラチ沿いにポジションを取っていたことにも驚きました。

高橋師　岩田康誠騎手もずっと続けて乗ってくれているから、あれはもう完全にジョッキーの好判断。強い馬たちがたくさんいましたけど、現状の力は出し切ったと思います。

――レース直後にマイルCSが引退レースだったことを発表されました。レース前に発表しなかったのには何か理由があったんですか？

高橋師　もう決まっていたんですけど、競馬は無事に走り終えないとそういうのも分からないですから、前もって言うのも…と思ったんです。

――ラストランはどんな思いで見守ったんですか？

高橋師　それは普段と変わらなかったかな。どの馬でもそうですけど、「無事に走ってほしいな」っていうのが一番だから、レースを終えてホッとしました。最後にちょっといいところを見せてくれたから、余計によかったですよね。

――競走生活を振り返ると、2歳の6月にデビューし、桜花賞にも出走しましたね。・・・