2021年01月06日(水) 12:00
相変わらず非日常が続いていますが、ネットケイバを御愛読下さっている皆様におかれましては、お健やかな新年をお過ごしでしょうか?競馬は、日本を含めてほとんどの国と地域で開催が継続されています。本年も当コラムをご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
2021年最初のコラムは、北米における2020年のリーディング・ホースマンをご紹介したい。
調教師部門では、賞金収得額でも勝ち鞍数でも、スティーヴン・アスムッセンが首位に立った。
収得賞金では、2位のブラッド・コックスに122万ドル差をつける2020万ドルを獲得。勝利数では422勝を挙げ、独走の首位となった。アスムッセン師の首位は、賞金部門では08年、09年に続き、11年振り3度目。勝利数部門では、02年、04年、05年、07年、08年、09年、10年、11年、13年に続き、7年ぶり10度目のこととなった。
20年のアスムッセン厩舎は、2歳馬ジャッキーズウォリアーでG1ホープフルS(d7F)、G1シャンパンS(d8F)を制したのをはじめ、6つのG1を含む17の重賞を制覇。9月18日にはレミントンパークの第2競走を管理馬トロイオンスが制し、北米史上2人目となる通算9000勝を達成。この数字は年末までに9131勝まで伸びており、デイル・ベアードが持つ北米歴代最多勝記録の9445勝が視野に入っている。
調教師・賞金部門の第2位は、ブリーダーズCだけで4つのG1を制したのを含めて、年間で7つのG1を手中にし、通算で1898万ドルを獲得したブラッド・コックス。
第3位は、オーセンティックでケンタッキーダービーやBCクラシックを制したのを含めて、16のG1を手中にし、1892万ドルを獲得したボブ・バファートだった。バファート厩舎の年間出走回数は、アスムッセン厩舎の7分の1ほど、コックス厩舎の3分の1ほどとなる323回足らずで、1出走機会あたりの平均賞金収得額は5万8575ドルと、他の追随を許さぬ数字をマークしている。
騎手部門でも、アイラッド・オルティス・ジュニアが、賞金獲得額と勝利数の2冠を達成した。オルティスの首位は、勝利度数部門では17年以来4年連続、賞金収得部門では18年から3年連続となっている。
20年のオルティスは、ウィットモアで制したG1BCスプリント、ムーチョグストで制したG1ペガサスワールドCなど、7つのG1を含む27の重賞を制覇。収得賞金では、2位のジョエル・ロザリオに128万ドル差をつける2105万ドルを獲得。勝利数部門では、2位のタイラー・ガファリオーネに29勝差をつける300勝をマークしている。
騎手・賞金部門の第2位は、ニックスゴーでBCダートマイルを、ヴェキストでG1BCジュヴェナイルフィリーズを制したのをはじめ、11のG1を含む25の重賞を制し、1823万ドルを収得したジョエル・ロザリオ。第3位は、エッセンシャルクオリティで制したG1BCジュヴェナイルなど、9つのG1を含む19の重賞を手中にし、1651万ドルを収得したルイ・セイズだった。
馬主の賞金収得部門は、G1ハスケルS、G1ケンタッキーダービー、G1BCクラシックという3つのG1を制したオーセンティックを所有したスペンドスリフトファーム社、マイレースホースステーブル、マダケットステーブル社、スターライトレーシングの4者によるシンジケートが、679万ドルを収得して首位に立った。
また馬主の勝利度数部門は、エンドゾーン・アスレティックス社が163勝を挙げ、5年連続で首位となっている。
なお、アメリカを代表する年度表彰であるエクリプス賞は、1月16日にファイナリストが発表された後、1月28日にバーチャル・イベントにて受賞馬と受賞者が発表される予定となっている。
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合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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