【ニューイヤーS予想】負担重量を推定ハンデと比較して考える

2021年01月08日(金) 18:00

外枠で人気が落ちるサトノウィザードに注目

 5日の京都金杯、あるいは中山金杯には出走のかなわなかったグループの一戦。ここはハンデ戦ではないが、獲得賞金による「別定」重量のため、予想以上に負担重量に差がつくケースがある。

 6歳の牝馬は3頭いるが、アルーシャはベースの54キロに3キロ増量されて57キロ。トーセンブレスと、ロフティフレーズは獲得賞金が少ないので基準の54キロ。同じ年齢でも、実績で上回る馬と、獲得賞金の少ない馬の差は大きい。

 一方、若い4歳牝馬も3頭いる。インターミッションも、クラヴァシュドールも、ビッククインバイオも、昨春はクラシックに出走するか、路線に乗りかかったが、獲得賞金の差はないので仲良く53キロ。

 賞金別定戦の難しいところは、これがみんなの可能性を同じようにしたいハンデ戦だったらこういう斤量差なのか、という推定ハンデとの比較。

 3歳時のインターミッションとビッククインバイオは、GIIIのハンデ戦ターコイズSも53キロでまあまあの成績だった。一方、アルーシャは2走前のGIII京成杯AHを(ターコイズSとレベル差はさしてなかった)、55キロのハンデで完敗なのに、今回57キロ。

 アルーシャの57キロは不利だろうと考えたくなる。だが、意外や結果はそうならないことが多い。ニューイヤーSではハンデ戦より明らかに負担重量が重いだろうと考えられた57-58キロ組が好走するケースが再三ある。軽快なスピード能力を求められるレースが多い日本では、もともとオープン馬の負担重量がかなり軽い。だから凱旋門賞などで、まず自身の負担重量に泣くといわれる。

 でも、小柄な牝馬ならともかく、ディアドラが英G1ナッソーSを60キロ相当で差し切ったように、2-3キロくらいの負担重量差は、レース後の敗因に挙げられることは多くても、実際には思われるほど大きな要素ではないのかもしれない。

 格上がりでベースの56キロで出走できる5歳の上がり馬サトノウィザード(父ロードカナロア)から入りたい。残念な外枠を引いてしまったが、差し馬なのでコースロスは少なくて済む。人気が落ちるのは悪いことではない。相手に53-54キロのロフティフレーズ、インターミッション、セラピア、ビッククインバイオ。評価の分かれるアルーシャも買う。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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