2021年01月12日(火) 18:00
明日から姫路競馬が開幕します。7年半もの間、レースが行われなかった姫路が再開されたのは昨年のいま頃。その時は4週間のみの開催でしたが、今年は4月8日まで約3カ月のロングラン開催です。姫路開幕を前に、改めて姫路の特徴をおさらいしましょう。
再び姫路競馬場にレースが帰ってきます。明日、開幕する姫路は園田とともに兵庫県競馬を形成する競馬場。売上の低迷や、内馬場の調節池造成工事が行われていたため、2012年夏〜2019年までレースが行われませんでしたが、調節池の工事が完了したことやインターネット投票の普及により、都市部から離れた姫路でも売り上げが見込まれることなどから7年半ぶりに開催が実現しました。
▲姫路競馬場正門
レースが行われなかった7年半の間に馬場には雑草が太い根を張り、地面はひび割れていました。そこで、昨年の開催前には路盤の改修工事を敢行。一新された馬場で行われたレースは開幕週は逃げ馬が残らない展開に。また、内ラチから2頭分ほどは重たい馬場となりました。
しかし、開催が進んでいくと逃げ馬も残るようになりました。
園田とはちょっと違う傾向の姫路で躍進したのは鴨宮祥行騎手。「あまり姫路は得意ではないです」と苦笑いしながらも、昨年は地元リーディング9位だったのが姫路開催ではリーディング3位となる11勝を挙げました。
鴨宮騎手が話すポイントは「仕掛けのタイミングはワンテンポ遅らせても届くけど、3コーナーではある程度前の位置にいないといけない」ということ。園田より直線は長いものの、カーブが急なコース形態も関係しているのでしょう。
▲昨年の姫路開幕日のメインレースをパイロスターで勝った鴨宮祥行騎手
カーブが急だというのは一つのポイントになっています。
園田も小回りコースで、何年かに一度、広いコースで走り慣れたホッカイドウ競馬からの遠征馬が1〜2コーナーを曲がり切れずに外に大きく膨れることがあります。しかし、それ以上に急カーブなのが姫路。
ある調教師は「姫路はコーナーがキツいって印象だから、内を回るのが上手いジョッキーが向くと思いますよ。(田中)学とか(下原)オサムらは上手いから」と話します。
実際に姫路リーディングに輝いたのは「インの下原」とも呼ばれる下原騎手でした。内が重たい馬場だったので、実際にはインを使ってというよりは3〜4コーナーで上手く馬群を捌いたレースが多かった印象です。
さらに3週目には重賞・白鷺賞を制覇。騎乗したタガノゴールドはいつもはエイシンニシパより後ろからレースを運びますが、この時はタガノゴールドが前の2番手につけました。その理由を「馬場が軽くなってきたのか、逃げ馬がだいぶ残るようになっていたので、できるだけ好位につけたいなと思っていました」と話します。
▲白鷺賞タガノゴールド
これらの話を総合すると、姫路のコース形態の特徴として「3コーナーまでになるべく前のポジションに付けられる馬が有利」「下原騎手や鴨宮騎手はいつも以上に注目」ということでしょうか。
ここで1点、気になることがあります。それは、昨年と砂が変わっているということ。園田では昨年4月、砂の産地を青森県六ケ所村 (JRAでも使用)からオーストラリアに変え、それ以降、やや時計の掛かる馬場になっています。そのオーストラリア産の砂を姫路でも使用するとのこと。昨年の開催前には路盤改修も行われていて4週しか使われていませんから、「改修したての路盤+入れ替えたばかりの砂」という状況になるということです。
▲昨年の姫路競馬場、今年は砂が白くなっています
ふかふかの状態で時計がかかるのか、走りやすい馬場で前残りになるのか、明日の初日はじっくり見極めたいところです。
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大恵陽子
競馬リポーター。競馬番組のほか、UMAJOセミナー講師やイベントMCも務める。『優駿』『週刊競馬ブック』『Club JRA-Net CAFEブログ』などを執筆。小学5年生からJRAと地方競馬の二刀流。神戸市出身、ホームグラウンドは阪神・園田・栗東。特技は寝ることと馬名しりとり。
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