動き出したケンタッキーダービー戦線

2021年01月27日(水) 12:00

まだまだ不明瞭な勢力図、前売りで人気を集めるのは…

 5月1日にチャーチルダウンズ競馬場で行われるG1ケンタッキーダービー(d10F)に向けた、フューチャーウェイジャーのプール2が1月22日から24日まで発売になり、個別の馬ではライフイズグッド(牡3、父イントゥミスチフ)がオッズ8.2倍で1番人気に支持された。

 フューチャーウェイジャーとは、現段階でケンタッキーダービーの有力馬と目される23頭を抽出。その他の馬を24番枠にフィールドしての24頭立ての競馬を想定し、期間限定で単勝と馬単を発売するものだ。

 今回のプール2では、その他の馬がフィールドされた24番枠が、オッズ2.9倍で1番人気となり、これに続く人気を集めたのが、ライフイズグッドだった。

 祖母がG1テストS(d7F)2着馬ボニーブルーフラッグという牝系の出身で、キーンランド・セプテンバーにて52万5千ドル(当時のレートで約5694万円)で購買され、ボブ・バファート厩舎に入厩したのがライフイズグッドだ。

 11月22日にデルマーのメイドン(d6.5F)を9.1/2馬身差で制してデビュー勝ち。続いて1月2日にサンタアニタで行われたG3シャムS(d8F)に出走し、ここも3/4馬身差で制して無敗の重賞制覇を果たしている。実は、バファート厩舎のイントゥミスチフ産駒で、デビューから2連勝でG3シャムS勝ちというのは、昨年のケンタッキーダービー馬オーセンティックと全く同様のプロフィールで、そのあたりもファクターとなっての1番人気と言えそうだ。

 現段階で、次走は未定。ちなみに、オーセンティックの3戦目は、サンタアニタのG2サンフェリペS(d8.5F、今年は3月6日)だった。

 オッズ9.4倍で個別の馬では2番人気に推されたのが、エッセンシャルクオリティ(牡3、父タピット)だ。

 ゴドルフィンの自家生産馬で、叔母に05年の全米2歳牝馬チャンピオン・フォークロアがいる牝系の出身だから、20年の日本の3冠馬コントレイルとも同じファミリーということになる。

 9月5日にチャーチルダウンズのメイドン(d6F)を制してデビュー勝ちを飾ると、次走はキーンランドのG1ブリーダーズフューチュリティ(d8.5F)に駒を進め、ここも勝って無敗のG1制覇。そして、11月6日に同じくキーンランドで行われたG1BCジュヴェナイル(d8.5F)も、中団から豪快に差し切って優勝。無敗で2歳シーズンを終えている。

 28日に発表される年度表彰のエクリプス賞で、最優秀2歳牡馬の受賞が確実視されている同馬の、今季の始動戦は、2月13日にフェアグラウンズで行われるG2リズンスターS(d9F)か、2月15日にオークローンパークで行われるG3サウスウェストS(d8.5F)のいずれかになる模様だ。

 続いて、オッズ14.8倍の3番人気に推されたのが、カドーリヴァー(牡3、父ハードスパン)である。

 ショートリーフ・ステーブルの自家生産馬で、G2ポカホンタスS(d8.5F)2着、G3アイオワオークス(d8.5F)2着などの成績を残したパングバーンの2番仔となるのがカドーリヴァーだ。11月15日にチャーチルダウンズで行われたメイドン(d8F)を9.1/2馬身差で制し、デビュー3戦目で初勝利を挙げると、1月22日にオークローンパークで行なわれたLRスマーティジョーンズS(d8F)に駒を進め、ここも10.1/4馬身差で圧勝している。

 次走は、3月13日にオークローンパークで行われるG2レベルS(d8.5F)になる予定だ。

 続いて、オッズ17.2倍で4番人気に推されているのが、1月15日にサンタアニタで行われたメイドン(d6F)を3.1/2馬身差で制し、デビュー勝ちを飾ったばかりのコンサートツアー(牡3、父ストリートセンス)だ。

 ゲイリーとメアリーのウェスト夫妻による自家生産馬で、08年の全米最優秀2歳牝馬スターダムバウンドらが出ている牝系の出身。管理するのは、ボブ・バファートである。

 続いて、オッズ20.4倍の5番人気が、キープミーインマインド(牡3、父ラオバン)だ。

 9月2日にチャーチルダウンズのメイドン(d8F)でデビューし2着になると、次走は強気にキーンランドのG1ブリーダーズフューチュリティ(d8.5F)にぶつけ、エッセンシャルクオリティの2着に好走。続くG1BCジュヴェナイル(d8.5F)で3着になると、11月28日にチャーチルダウンズで行われたG2ケンタッキージョッキークラブS(d8.5F)に出走し、ここを勝って初勝利を挙げた。

 G2ジムダンディS(d9F)を制したラオバン(その父アンクルモー)の初年度産駒の1頭で、半兄にG2アムステルダムS(d6.5F)3着馬インジャックスメモリーがいる。

 次走は、2月15日にオークローンパークで行なわれるG3サウスウェストS(d8.5F)になる模様だ。

 そして、22.1倍の6番人気が、12月12日にガルフストリームパークで行われたメイドン(d6F)を8.3/4馬身差で制し、デビュー勝ちを飾ったプライムファクター(牡3、父クオリティロード)だ。

 カナダ年度代表馬ダンススマートリーらが出ている牝系の出身で、キーンランド・セプテンバーにて90万ドルで購買されて、トッド・プレッチャー厩舎に入厩している。

 注目の2戦目は、1月30日にガルフストリームパークで行われるG3ホーリーブルS(d8.5F)になる予定だ。

 フューチャーウェイジャーのプール3は、2月12日から14日にかけて発売されることになっている。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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