2021年01月29日(金) 18:00
3年連続して「1分59秒1-3」の決着。コース替わりながら必ずしもスローな流れではなく、レースの上がり3ハロン平均は34秒56。
1-3着した9頭中8頭が、12-1月に出走していた順調なグループだった(1頭は11月に出走)。重賞ではないこの時期のリステッドレースだけに、ここが休み明けで目いっぱい(万全)の仕上がりという馬は少ないためと考えられる。
4歳ポタジェ(父ディープインパクト)は、2000mを中心に7戦して連対パーフェクト【4-3-0-0】の注目馬。毎日王冠など6勝した牝馬ルージュバックの4分の3同血の弟であり、コースも馬場状態も問わない。格上がりでもまず勝ち負けの組み合わせだが、前走の岸和田S2000m(3勝クラス)は3カ月ぶりだったとはいえ、案外の内容だった印象も残った(上がり35秒1で首差)。
順調に使われ、めったに崩れないタフな6歳サンレイポケット(父ジャングルポケット)から入りたい。トニービン系らしく、東京や新潟など左回りの芝【3-1-2-2】。2走前のGIIアルゼンチン共和国杯は着外の6着だが、直線、当時はかなり芝の荒れていたインに入る不利があり、それでも0秒4差だった。
ファミリーは、3代母アドマイヤラピスが先週のAJCCを制したアリストテレスの3代母バレークイーンといとこの間柄で、その2頭は酷似した血統背景を秘める。
直線勝負になるとき、新潟記念、毎日王冠を連続して3着に突っ込んだ鋭さが生きるはずだ。レース間隔は短いが、今週はビシッと追ってきた。
いま、ジャングルポケットの属するグレイソヴリンの父系は衰退しているとされるが、北米、及びフランスの種牡馬総合ランキング、2歳種牡馬成績の両方の上位に、Uncle Moアンクルモー(USA)系、Kendargentケンダルジャン(FR)系など、この父系の種牡馬が複数、再浮上する形になっている。同じナスルーラから発展するボールドルーラー系のような巻き返しがあるのかもしれない。
もちろん、上昇度で上回るポタジェ、休み明けは一歩でもルメール騎手に替わるブレステイキング(父ディープインパクト)が強敵だが、順調の強みを発揮して割って入ってくれるシーンに期待したい。先行型では、昨年のプリンシパルSでポタジェに勝っているビターエンダー(父オルフェーヴル)が侮れない。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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