2021年02月06日(土) 12:00
先々の見通しを立てるべく戦う重賞も2月戦線に突入した。マイルのGIを見据える東京新聞杯と、3歳馬春の檜舞台をめざすきさらぎ賞と、どちらもひとつの手応えをつかむべく出走してくるので、その取捨選択は難しい。多くが、目に見える結果をと期している。そのせいか、人気馬がいずれも苦戦を強いられていると言っていい。
一番人気がなかなか勝てない東京新聞杯は、最近では2年前にインディチャンプが勝つまで、一番人気が11連敗もしていた。そのインディチャンプはステイゴールド産駒の4歳馬で、前年後半の休養で素質が開花して、デビュー8戦目、3連勝での重賞初制覇だった。
この年、安田記念、マイルCSとマイルのGIを勝ち、当時の強い4歳世代の一頭にまで進化し、「さらなる飛躍を」という東京新聞杯のテーマを実現してみせた。
昨年は、また一番人気が敗れ、四番人気プリモシーンが勝ったが、この5歳牝馬は前年のヴィクトリアマイル2着馬、東京のマイルは相性がよく外から豪快に差し切り、2着も4歳牝馬シャドウディーヴァで42年ぶりの牝馬のワンツーだった。
牝馬といえば、この7年で4頭もの牝馬が東京新聞杯を勝っている。昨年のプリモシーンは前走がマイルCSだったが、それ以外のホエールキャプチャ、スマートレイアー、リスグラシューといずれもが、前走がエリザベス女王杯だったという共通点がある。それぞれ6、5、8着で、実は、この7年間で前走エリザベス女王杯組はこの3頭だけ。つまりこのケースは勝利につながると言えるのだ。
これでいくと今年は、前走エリザベス女王杯8着のシャドウディーヴァに注目となる。去年の2着馬で東京の芝との相性がいい。ハーツクライ産駒、さらに進化がのぞめる。
きさらぎ賞は、今年は35年ぶりで中京で行なわれるが、ずっと開催が続き、かなりタフな馬場になっている。外差しも決まりやすいことを念頭に考えたい。こちらも一番人気は4連敗中。5年前に期待に応えたサトノダイヤモンドは無傷の3連勝でここを通過、三冠を3、2、1着で菊花賞馬に、そして有馬記念まで勝っていた。
心身のバランスのとれたディープインパクト産駒だが、今年の顔ぶれはあとひと息、今後を左右する試金石となるレースとみておきたい。ホープフルSでスタートで他馬と接触して3着に終ったヨーホーレイク、押し出されるように先頭に立ったところで逸走したランドオブリバティはどこまで矯正されているか注目したい。11月の京都2歳2着以来でここを目標にしてきたラーゴムはオルフェーヴル産駒、力の要る馬場で本領を発揮できるか。先々通用できるか、しっかり見極めたい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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