2021年03月06日(土) 12:00
3月になりました。2月末から3月初めにかけて、JRAではさまざまな“動き”があります。
あらためて言うまでもなく、2月いっぱいで何人かの調教師と騎手が引退(勇退)しました。それと入れ替わりに、3月第1週は、新たにいくつかの厩舎が開業を迎え、新人騎手がデビューします。
今年は新人騎手の中に女性が2人いるので、男性ばかりの年より注目を集めそう。そんなことを書くと、「女性騎手を特別扱いするな」と言われてしまうかもしれませんが、私は断固、応援しちゃいますからね。
それに加えて、この時期にはJRA職員の人事異動が行われます。どうしてこのタイミングで、調教師と騎手の“入れ替わり”や職員の人事異動がいっぺんに行われるのか?年や年度が替わるわけでもないのに、なんとも不思議ですよね?
でも、よく考えると、ここが一番いいような気がします。まず、年を越すのと同時だと、いろいろ慌ただしすぎます(年末年始の役所は“お休み”ですし)。
年度替わりの4月というのもどうかな、と思います。すでにクラシックレースへ向けてのトライアルレースが始まっていて、そのさなかで人が入れ替わるのは何かと問題がありそうだからです。
5月末と6月初めもいけません。暦によって、ダービーが5月最終日曜日に行われる年と、6月第1日曜日に開催される年があるはず。ここで入れ替えをするわけにはいかないと思います。
その後、新馬戦が始まると、適当なタイミングはなくなってしまうようです。6月末と7月初め、8月末と9月初めは、北海道シリーズや夏のローカル競馬が開催されている時期でもあります。調教師、騎手の入れ替わりは、東京、中山、阪神、京都の開催中にやったほうがいいでしょう。
そうやって考えると、前年から続いてきた新馬戦が終わり、その年の新馬戦までには間があって、東西ともに“中央場所”での競馬が開催中で、クラシックへ向けてのトライアルレースが始まる直前、という条件が重なる2月末と3月初めはベスト。ここ以外のタイミングはないように思えるんです。
まぁこれは私の勝手な想像なので、真に受けないでくださいね。
さてさて、今週はほかにもいろいろなニュースが伝えられました。緊急事態宣言が先行解除された兵庫県にある阪神競馬場と愛知県の中京競馬場では、13日から観客を迎え入れての競馬が再開されます。競馬場に行かれる方は、くれぐれも正しい感染対策をお忘れなく。
一方、2月13日に発生した地震の影響で、来月10日に開幕する予定だった福島競馬は中止。その分の競走は他場(たぶん新潟)に振り替えて行われることになりました。ホントにいろんなことがあるものです。いつになったらすべてが“平常”になるんでしょうか。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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