2021年03月19日(金) 18:00
2001年からの10年間には、フラワーC出走組で桜花賞を連対した馬は、2004年の桜花賞馬ダンスインザムード(フラワーC1着)、2006年の勝ち馬キストゥヘヴン(フラワーC1着)など4頭いた。オークスでも2005年の勝ち馬シーザリオ(フラワーC1着)、アーモンドアイの母であり2006年の2着馬フサイチパンドラ(フラワーC2着)など4頭が連対している。
ところが、2011年以降の10年間では、2013年のオークスを2着したエバーブロッサム(フラワーC2着)だけがクラシックの連対馬。近年のフラワーCはクラシックとの結びつきが極端に減っている。実際、今年も現在の獲得賞金額では春の2冠は展望できない危険のある馬同士の対戦となった。
とはいいながら、近年のクラシック好走馬の春のスケジュールはさまざまに分かれ変貌している。まだ望みはあるはずのユーバーレーベン(父ゴールドシップ)に期待したい。札幌2歳S2着も、GI阪神JF3着も、現在、候補の筆頭にいるソダシと「0秒0-0秒1」差の接戦だった。
クラシックに向けての仕上げにやや手間取ったのはたしかだが、評価の低かった新馬戦を勝ったように実戦駆けタイプ。早めに天気が崩れ渋っても苦にしない。どちらかといえば右回りを得意にした父ゴールドシップと同じように、この馬も右回りの方が追撃はスムーズに運ぶように思える。
同父系のため4分の3同血になる兄マイネルファンロン(父ステイゴールド)は、案外仕上がりが早く、3歳の3月まで【1-2-2-0】と崩れない馬だった。
祖母マイネヌーヴェル(父ブライアンズタイム)は、2003年のフラワーCを追い込んで勝っている。一族の代表格で2008年の弥生賞を制し、皐月賞3着マイネルチャールズ(父ブライアンズタイム)は、NZ産だった3代母マイネプリテンダーの産駒になる。大物を輩出してきたファミリーとはいえないが、タフな成長力はある。
相手の妙味は、前走のフリージア賞は4着とはいえ、日曜のスプリングS組のレインフロムヘヴン、イルーシヴパンサーと差のなかったグローリアスサルム(父キズナ)。勝ち上がった中山コースの方が差し脚は活きるだろう。
荒れそうに思えるので、クールキャット、調教は動くエコロデイジー、急上昇のテリオスマナ(3代母マックスビューティ)にも手を広げたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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