2021年04月10日(土) 19:00
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
阪神の芝は今週からBコースに変更。内3m部分(曲線部は内4m)に内柵が設置された。先週日曜にかなり雨が降り、柵の設置で内寄りの傷みが軽減できたかがポイントだった。直線の内寄りに部分的な傷みは残るものの、コース替わりの効果を感じた。時計の出方も速く、特に「速い上がり」のレースが目立った。今春の阪神開催全体を通しても、瞬発力が生きる点では今週が一番かもしれない。
土曜は、芝競走は5鞍。優勝馬の最終4コーナーの位置は「3番手、10番手、7番手。6番手(2番手)、8番手」。差し馬の活躍が目立った。
桜花賞とのコース的関連は薄いかもしれないが、6R・3歳1勝クラス(内回り1200m)を勝った3番人気リプレーザ(父リオンディーズ)は最終4コーナー10番手から一気。上がり3F32秒9と強烈な瞬発力を見せた。レース前半3F34秒4〜後半3F34秒0の完全な平均ペース。それだけ瞬発力特化の舞台なのかもしれない。
10R・難波S(外回り1800m)は1着同着。レース前半3F36秒3〜後半3F32秒6と極限の超スロー。1着スマートリアン(父キズナ)が上がり3F32秒3、同じく1着ファルコニア(父ディープインパクト)が3F32秒5。軽い決め手が必要になっている。
桜花賞と同じ外回り1600mで行われた11R・阪神牝馬Sは最終4コーナー8番手にいた1番人気デゼル(父ディープインパクト)が上がり3F32秒5で大外一気。このレースもレース前半3F35秒1〜後半3F33秒2と前半が遅く、より決め手が問われる形になった。前半が遅かったわりに、勝ち時計1分32秒0は速い。血統的にはディープ系の瞬発力が合う舞台。2着マジックキャッスルは父ディープインパクト、3着ドナウデルタは母の父がディープインパクト。
最近では珍しく日曜も雨の心配がない週末。桜花賞も絶好の良馬場だろう。桜花賞は飛ばす馬も見当たらず、標準的な平均ペースとみれば、最終的には決め手比べか。しっかりした瞬発力のある馬が優位になりそうだ。
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小田哲也
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
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