皐月賞は前走の内容を素直に評価すべし

2021年04月17日(土) 19:00

 前回4月11日のWIN5は373万880円の配当で決着。2月28日(42万7570円)以来、6回ぶりに払戻金が一千万円を下回ったものの、3レース目のやまびこS(新潟11R)で単勝オッズ30.1倍(12番人気)のスナークスターが優勝を果たし、波乱を演出しました。スナークスターをピンポイントで狙っていた方もいるとは思いますが、的中させたプレイヤーの多くは「やまびこSを手広く押さえる」という作戦だったんじゃないでしょうか。

 ちなみに、スナークスターの単勝支持率は約2.7%で、2レース目→3レース目の残存率は約1.9%。つまり、WIN5のスナークスターは、単勝に換算すると40倍前後相当の支持しか集めていなかったと推測できます。もともと単勝二桁人気クラスの伏兵はこうした状況になりがち。単純に金額が大きくなるだけでなく、単勝等に比べて妙味ある配当となるわけですから、混戦模様と判断したレースでこのレベルの人気薄も押さえるのは理に適った作戦です。

 明日4月18日のWIN5は総出走頭数が78頭、総組み合わせ数が92万1600通り(土曜12時現在)。多頭数のレースばかりなので、手を広げなくても良さそうなレースは思い切って絞り込むべきかもしれません。

【2021年04月18日発売分の1点予想】

阪神10R 2.ビップウインク
中山10R 8.ダンシングプリンス
新潟11R 13.トーセンスーリヤ
阪神11R 7.アナザートゥルース
中山11R 7.エフフォーリア

【1レース目 心斎橋S(阪神10R)】

 今年の1〜2回阪神芝1400m以下、かつ4歳以上のレース(4月17日終了時点)は、先行力の高い馬が優勢。「前走の4コーナー通過順が8番手以下だった馬」は[0-1-3-46]と苦戦していました。ルプリュフォール・トオヤリトセイトらは過信禁物と見るべきでしょう。

 狙ってみたいのはカワキタアジン・ビップウインク・エングレーバー・ルガーサントあたり。休養明け2戦目のルガーサントは特に楽しみです。

【2レース目 京葉S(中山10R)】

 コース適性が明暗を分けそう。2014年のオルフェーヴルカップならびに2015年以降の京葉ステークスを集計対象とすると「“前年以降、かつ中山ダ1200mのレース”において4着以内となった経験のない馬」は[2-0-0-43]と安定感を欠いています。ジャスパープリンス・デザートストームらは強調できません。なお「父がミスタープロスペクター系以外の種牡馬、かつ前走の4コーナー通過順が7番手以下だった馬」も[1-0-1-35]でした。

 これらの条件をクリアしているのはアポロビビ・サザンヴィグラス・ダンシングプリンス・ロードラズライトあたり。コース替わりがプラスに働きそうなダンシングプリンスは高く評価すべきでしょう。

【3レース目 福島民報杯(新潟11R)】

 高齢馬や休養明けの馬は不振。「馬齢が7歳以上の馬」は2016年以降[1-0-0-33]、「前走との間隔が中7週以上、かつ出走数が12戦以上の馬」は2016年以降[0-0-1-29]でしたから、ウインイクシード・ヴァンケドミンゴらは割り引きが必要です。

 マイネルウィルトス・ロードマイウェイ・マンオブスピリットあたりも侮れませんが、やはり注目はトーセンスーリヤ。休養明け2戦目、かつ実績あるコースへ替わる今回は素直に信頼して良いと思います。

【4レース目 アンタレスS(阪神11R)】

 近年は前走好走馬が堅実。2018年以降の3着以内馬延べ9頭は、いずれも前走の着順が3着以内でした。グリムなど、大敗直後の馬は評価を下げるべきでしょう。

 また「前走の4コーナー通過順が5番手以下・競走中止だった馬」は2018年以降[0-0-1-23]、「“前年以降、かつJRA、かつ1800〜1900m、かつ重賞のレース”において2着以内となった経験がない、かつ前走の条件が地方のダートグレード競走以外だった馬」は2018年以降[0-0-0-27]。先行力の高い馬や重賞を主戦場としてきた馬に注目すべきレースなので、テーオーケインズ・ヒストリーメイカーらも扱いに注意したいところです。

 中心視したいのはレピアーウィット・アナザートゥルース・ロードブレスあたり。特にアナザートゥルースはこれといった不安要素が見当たりません。

【5レース目 皐月賞(中山11R)】

 直近のパフォーマンスを素直に評価したい一戦。「前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.1秒以上だった馬」は2015年以降[1-1-1-49]と苦戦しています。ちなみに「前走の出走頭数が11頭以下、かつ前走の着順が2着以下・前走の2位入線馬とのタイム差が0.0秒だった馬」は2015年以降[0-1-0-42]。前走が11頭立て以下の少頭数だったにもかかわらず好走を果たした馬の大半は、その前走を完勝している馬でした。ラーゴムらはあまり信頼できないと見るべきでしょう。

 あとは前走の末脚や馬格も重要。「前走の上がり3ハロンタイム順位が2位以下、かつ前走の馬体重が490kg未満だった馬」は2015年以降[0-0-1-41]とあまり上位に食い込めていません。

 これらの傾向から強調できるのはアドマイヤハダル・ヴィクティファルス・エフフォーリア・ディープモンスター・グラティアスあたり。前走が好内容だったエフフォーリアは素直に押さえておきたいところです。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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