ばんえいファンだからこそ書く“あの事件”について

2021年04月24日(土) 12:00

覚悟をもってこの問題に対処してほしい

 今回はまず、あのことから書かなければいけないでしょうね。そう、ばんえい競馬で起きたあの事件です。

 今さら書かなくてもみなさんご承知でしょうが、私は“ばんえいファン”です。だから“ひいき目の物言い”しかできないと思われても致し方ありません。

 まず、今回のことはあってはならないことです。今、“彼”は、自分がやってしまったことの重大さを痛感していると思います。

 重要なのはこの先どうすればいいか、です。ネット上では、「ばんえいを廃止しろ」という意見が出ています。

 とはいえ、廃止か存続か、0にするか100のままで行くかを“即決しろ”というのは、いかがなものでしょうか?

 0にしてしまえば、廃止を唱える方々の“溜飲を下げる”ことになるでしょう。100のままにしておけば、その方々の“火に油を注ぐ”に違いありません。

 0か100かで決めるのは、極論すればとても簡単です。でも、その間を取ることはできないのでしょうか?

 事ここに至ってしまったからには、存続に関して、万人に納得してもらうのは難しいと思います。

 今こそ、その場しのぎの対応で済ませるのではなく、何がダメなのか、ダメなことをやってしまった場合にどう処分するか、さまざまな議論を積み重ねて明確なルールを決め、それを公に提示するべきでしょう。

 それでも、とにかく廃止、という方がいらっしゃるかもしれません。その意見が大勢を占めたら、後は...。

 ばんえい競馬の主催者と関係者は、そのくらいの覚悟を持って今の状況に対処しなければいけない、と思います。私が祈るのは、その上での、ばんえい競馬の存続です。

 さて、ここからは気分を変えてお読みいただければ幸いです。

 先週のコラムに書いたとおり、皐月賞は競馬場で実況を収録しました。

 双眼鏡を使って喋るのがまる1年ぶりだったので、“カン”を取り戻そうと、第1レースから“練習”を開始。途中、1レース休んだだけで、皐月賞まで計10レースを実況しました。

 そうしたら、思いもしなかったようなことが。なんと、右手首の腱鞘炎が悪化しちゃったのです!

 親指の付け根付近に強い痛みを感る“ドケルバン病”と言われるもので、パソコンやスマホの使いすぎが原因とのこと。もともと先週末あたりに兆しを感じていました。それが、皐月賞から2日くらい経って“重症化”。久々に双眼鏡を持って10レースも喋った(その間、主に右手で双眼鏡を支えることが多かった)のが影響したとしか思えません。

 1年のブランクがそんなところに現われるとは!「それほどヤワな身体だったのか」という話でもありますけどね(涙)。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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