【福島牝馬S予想】舞台変更がプラスになる馬を狙う

2021年04月23日(金) 18:00

左回りの芝1800は絶好の条件

 今年の「福島牝馬S」は、新潟で行われる(2011年以来2度目)。その2011年はともに左回りで勝ったことのない「9番人気フミノイマージン、5番人気コスモネモシン」の1着、2着で波乱になったから、コースにこだわる必要はないともいえるが、左回りの新潟歓迎タイプは素直に評価を上げたい。

 人気のドナアトラエンテ(父ディープインパクト)にはプラスが大きい。ここまで左回りの芝1800mに限定すると、新潟での1着、2着を含めて通算【3-3-1-0】。一度も凡走したことがない。

 東京2400mのジャパンCを連勝した全姉ジェンティルドンナ(全10勝中7勝がGI)は別格だったが、同じく全姉の長女ドナウブルー(重賞2勝)は、2012年の関屋記念を勝っている。それも現在も残る1分31秒5(自身の上がり32秒6)のコースレコードだった。

 輸入牝馬の母ドナブリーニは、ダンチヒ系のスプリンターだった父の特徴をそのまま受け継ぎ、全4勝が5F-6Fのスピードタイプ。新潟コースの外回り1600m、1800mは前半が速くならず、最後の直線勝負になるケースがほとんど。上がり32秒6でレコード勝ちしたドナウブルーはそういうスピード型だった。

 5走前の東京1800mを、レコードと0秒6差の1分44秒8で快勝しているドナアトラエンテも似たタイプで、上がり最速の34秒2でまとめて抜け出した。500万下(1勝クラス)の東京1800mを勝ったときは上がり33秒5。切れたというより、スピード能力を後半の加速力にして好走している。

 相手筆頭は2019年の桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤ(父ダイワメジャー)。あの当時は追い込み型だったが、2走前の中日新聞杯2000mは前半61秒5のスロー。これを好位から上がリ34秒0でまとめ、直線200mからゴール寸前まで先頭だから、本質は同じようなスピード型。昨年のヴィクトリアマイルを1分31秒6でアーモンドアイの6着。ここは総合力でも一枚上。

 デンコウアンジュの回避で、出走順位17番目から繰り上がりで出走できたパラスアテナ(父ルーラーシップ)が伏兵。昨年5月のカーネーションC(東京1800m)を、上がり最速の33秒3で勝っている。左回りの芝は「1、4、3」着。格下でも侮れない。

 東京の「オアシスS」の穴馬はデアフルーグ(父ベーカバド)。昨年6月のアハルテケS(東京ダート1600m)で、今回対戦するバレッティ、ゴルトマイスターと大接戦の4着。上がり最速の35秒2で、勝ち馬とも0秒1差。あと一歩で勝ちそうな勢いだった。前走を叩いた今回は当時の気配に戻っている。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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