【天皇賞・春予想】不安定な天候と馬場状態が混戦模様に拍車をかける

2021年05月01日(土) 19:00

毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 今週末は全国的に天気が不順。土曜のJRA開催3場はいずれも雨が降る時間帯があった。天皇賞が行われる阪神競馬場も雨の影響を受けた。芝は「良馬場」でスタート。晴天の時間も長かったが、9R・矢車賞終了後の午後2時39分に「雨」に変更。激しい雨も降った。レース実況アナウンサーは「一時視界をさえぎるほどの雨」と表現したほど。

 9R・矢車賞(午後2時25分発走)のレース中は雨が降っていなかったが、10R・ストークS(午後3時1分発走)の6分前に「稍重」に変更。約20分間で、馬場状態が変わるほどの雨が降ったことになる。日曜もスッキリしない天気が続く予報。天皇賞は混戦オッズになっていることもあり、馬場状態面でも悩ましい1日になりそうだ。

 参考までに土曜は、芝競走は4鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「3番手、5番手、3番手、3番手」。3R・3歳未勝利戦(外回り1600m)は3コーナー11番手にいた1番人気マイネルエニグマが4コーナーで3番手に進出し、1分33秒5の好時計勝ち。阪神は2月13日からの超ロングラン開催になっているが、良馬場時は速い時計が出るのはこのレース(ただあくまで雨が降る前までの話)でも証明している。

 5R・3歳未勝利戦(外回り1800m)は1番人気コーディアルが最終4コーナーから内ラチ沿いに進路を取って、1分45秒7の好時計勝ち。最後は内からコーディアルにかわされたが、先手を奪ったウインリブルマンが2着に粘り込んだ。内寄りの傷みはあるものの、この時点では内ラチ沿いを十分狙える状況だった。

「稍重」に変更された直後の10R・ストークS(外回り1600m)は1番人気グランデマーレが3番手から抜け出して快勝した。勝ち時計1分33秒1は、3R未勝利戦と比較すると多少時計が掛かった印象だが、時計からは極端に悪化していない。勝ち馬の上がり3F33秒7で上がりもまずまず速い。

 問題は日曜の天気。兵庫県宝塚市は「晴一時雨」で降水確率40%。晴れている時間が長いものの、予想最高気温は16〜17度と決して高くなく、昼過ぎから一時的な「雨予報」も出ている。もっとも、全く降らない可能性も十分ある。このまま雨が降らなければ、それなりに乾いて高速馬場になる可能性は高く、天皇賞は「3分14秒9」の基準タイムを上回ると思う。

 前もそれなりに速い脚を使う芝状態だけに、最終4コーナーである程度の位置に進出していないと厳しい。ただ、降ってしまうと、雨量次第では道悪の巧拙も出てくる。大阪杯当日のような急激な悪化(午前中は良、メインレースは重)はないと思うが、当日の天気にはくれぐれも注意していただければと思います。

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小田哲也

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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