【平安S予想】時計の出るダートも乗り切れる可能性が高い

2021年05月21日(金) 18:00

初ダート戦のレース内容が光る

 例年の京都ではなく今年は中京。中京のダート1900mでトップクラスが対戦するケースはごく少ない。今年2月、中京で行われたアルデバランS(ダート1900m 稍重)はスローに近い流れで「1分58秒4(上がり37秒1)」だった。強引なまくり戦法が決まった。

 レコードは2019年に記録された「1分55秒9(上がり35秒9)」。それは1勝クラスの3歳ロードリバーサル(現在3勝クラス)の記録。今回、タイムは大幅に短縮されるだろう。ダート1900mのJRAレコードは1分53秒7(京都)。

 締まった中京のダートは高速決着になることが多く、ダート1800mのコースレコード1分47秒6(重)は、JRAレコードでもある。

 芝で3勝したあと、4歳後半からダートに方向転換して【4-0-1-0】の牝馬マルシュロレーヌ(父オルフェーヴル、母の父フレンチデピュティ)に注目したい。最初のダート勝ちは小倉。そのあとのダート3勝は交流重賞(大井と川崎)なのでタイムは目立たないが、光るのは初ダートだった小倉ダート1700mの桜島S(良馬場の3勝クラス)。

 初ダートとあって前半は慎重に中位追走。勝負どころの3コーナー過ぎで一度前が詰まるようなシーンがあったが、4コーナー手前からスパートすると一気に伸びての差し切り勝ち。自身の上がり3ハロンは35秒0(推定12秒1-11秒5-11秒4)だった。

 タフなダートの交流重賞での時計は目立たないが、時計の出るJRAの締まったダートなら、快時計で乗り切れる可能性が高い。芝2000mに1分57秒9がある。

 祖母キョウエイマーチ(父ダンシングブレーヴ)は1997年の桜花賞馬(2着メジロドーベル)だが、最初の2勝はダート。古馬になって久しぶりに出走したダートはメイセイオペラの勝った1999年のフェブラリーS。0秒5差5着に健闘したダート適性もあった。

 祖母がキョウエイマーチとなると、その5代母は天皇賞(秋)を制したクインナルビーなので、オグリキャップ(5代母クインナルビー)と同じファミリーになる。

 アメリカンシード、これをマークするオーヴェルニュなど、雨の影響が残る時計勝負のダートなのでスローの先行策ではないだろう。差し馬も届くきつい流れになって欲しい。するとマルシュロレーヌだけでなく、ドスハーツ(新人の小沢騎手)なども突っ込める。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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