2021年05月22日(土) 12:00
牝馬クラシックの第2ステージ。昨年は63年ぶりにデアリングタクトが史上2頭目の無敗での二冠を達成したが、今年もソダシの無敗での二冠達成に期待がかかる。しかもソダシは白毛、勝つことでそれがそのまま記録として残っていくのだから。
遥かなる名牝への軌跡を想い、どの馬も走っている。それは、健やかな力があふれた樹々がキラキラ輝いているこのシーズンにぴったりだ。ただ今年は、いつもより雨が多くて風薫る季節が少しずれているのが気になる。オークスはこれを受け、考える幅を広げてみるのがよさそうだ。とは言え、主役がソダシであることに変わりはない。
スピードとスタミナを兼ね備えた繁殖牝馬を選定するためのオークスだが、ソダシの血統背景はダート色が濃い。それを、心肺機能が高いと感じていた陣営は、函館の洋芝をデビューに選んでいた。須貝調教師の“夢を追うなら芝だから”という言葉が伝えられているが、この決断は、正に功を奏した。
1800米の札幌2歳Sをレコードで勝ち、阪神ジュベナイルF、桜花賞とハナ、クビの際どい勝負を正攻法の競馬でものにし、特に桜花賞は、一貫して速いラップで最後まで流れる中、4角3番手から抜け出し、1分31秒1のレコードを叩き出したのだから、スピードではゆるぎないことを確定づけている。当然課題はスタミナということだが、それを考えたそれからの鍛錬でどこまでパワーアップできているかだ。
オークスはこの5年のうち4年が、上がり3ハロンの最速馬が勝利している。シンハライト、アーモンドアイ、ラヴズオンリーユー、デアリングタクトとどれも33〜4秒台をマークしていた。この4年は、どれも前後半のラップが平均していて、ソウルスターリングの勝った4年前だけがスローペースで、先行した同馬が早目2番手で流れを味方に勝利をつかんでいた。
今年ははっきり逃げると言い切れる馬がいないので、スピードのあるソダシがレースを主導するとみたい。距離は延びてもスローにはならず、速いラップに耐え、長い直線でも自力で走り切れるスタミナがより要求されるとみたい。ただ、追いかける馬たちも、この緩みない流れは苦しい。
これまでの結果から桜花賞上位組がまず優位で、これに今年はクイーンCの厳しい流れに耐えたものを加えておきたい。
ソダシを軸に据え、これをマークしていくアカイトリノムスメが逆転候補。スタミナがあり東京は戦いやすい。あとは、距離歓迎のクールキャット、キズナ産駒のステラリアとファインルージュ、デビューから3戦連続で最速の上がりをマークしているスルーセブンシーズを押さえておきたい。
「どの馬も 背負って走る 父母の名を」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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