【葵S予想】ダービーの主役とイトコ同士になるあの馬に注目

2021年05月28日(金) 18:00

こなす距離の幅は広いファミリー

 まだ歴史の浅い重賞。今年は初めて中京コースで行なわれる。傾向はないに等しいが、負担重量1キロ増(収得賞金1800万円以上)の馬が、重賞になり全体レベルが上がった最近2年間で4頭も3着以内に好走しているところがポイントか。それが中京コースに良績のある馬なら強気になれる。

 前走、中京1400mを4馬身差で圧勝したダディーズビビッド(父キズナ)は、これで中京芝【2-1-0-1】。前回は初の1400mながら「1分19秒9」の好タイムだった。

 コースレコードと0秒3差であり、好位追走から抜け出して楽々と先頭に立った1200m通過は「1分08秒2」だった。デビューから6戦連続して1600m以上に出走していたが、どうやら短距離戦の方が合っている。

 母ケイティーズギフト(2002年。父フレンチデピュティ)は多くのきょうだいを持つが、1番下の妹がケイティーズハート(2009年。父ハーツクライ)。大きなファミリーを発展させたこの一族、生産牧場もオーナーも異なるが、ダディーズビビッドは、日本ダービーで人気を集めるエフフォーリア(母ケイティーズハート)とイトコ同士になる。

 このファミリーで、日本で最初に大活躍したのは1991年生まれの外国産馬ヒシアマゾン。ヒシアマゾンはマイルの阪神3歳牝馬SやクイーンCを制したあと、外国産馬なので出走可能なレースが限られ、当時の1200m重賞「クリスタルC」に出走すると、前半はちょっと追走に苦労したが、最後に猛然と伸びて1分08秒5で勝った記録がある。最優秀短距離馬のスリープレスナイトもこのファミリーであり、この一族のこなす距離の幅は広い。

 折り合いの難しさはあるが、1200m【1-2-0-0】のモントライゼ(同じく57キロ)と、フィリーズレビュー1400mで追って伸びた牝馬ヨカヨカ(1キロ増の55キロ)が相手本線。次いで1200mは合うと思えるのが牝馬サルビア。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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