【鳴尾記念予想】宝塚記念との関連は希薄に…実績馬の再起に期待したい一戦

2021年06月04日(金) 18:00

スピード能力に陰りも、逆にしぶとくなっている

 鳴尾記念がこの時期に移ったのは2012年から。2015年にはここを勝ったラブリーデイが勢いに乗って3週後の「宝塚記念」を制した。2013年ダノンバラード、2014年カレンミロティックが同じように中2週の宝塚記念を2着しているが、最近5年間は宝塚記念との関連はない。まして今年は阪神ではなく中京で行われる。

 このあとのビッグレースと結びつくメンバーともいえず、次週のGIIIエプソムC(東京1800m)と似たトーンのシーズン末の重賞に変化している。

 秋に向けての上昇馬に期待すると同時に、この春シーズンは物足りなかったグループの「さすがにこの相手なら…」のがんばりに注目したい。昨年は8歳パフォーマプロミス(父ステイゴールド)が10番人気で勝っている。

 7歳ペルシアンナイト(父ハービンジャー)は、3歳秋にGIマイルCSを勝って以来、もう3年半も勝っていない。そのマイルCSは毎年挑戦して過去4回「1、2、3、7」着。たしかにスピード能力に陰りは感じさせるが、それは1600mでのこと。逆にしぶとくなっている。3走前の有馬記念はエース級相手に0秒6差の善戦だった。

 もともとマイラーでもなく、2000mには皐月賞2着、大阪杯2着があり、昨年の札幌記念2000mも小差2着して上がりは最速。人気のラッキーライラックを3着に封じている。良馬場か、稍重に回復してくれると、少し時計を要するコンディションの2000mはベストに近いはずだ。 

 強敵は、上がり馬で好気配の目立つ同じハービンジャー産駒のヒンドゥタイムズ、前走で初重賞勝ちのサンレイポケットくらいであり、ここは久しぶりの勝機だろう。

 GIで勝ち負けした当時の輝きはなくとも、ハービンジャー産駒は牝馬ディアドラがベテランに近くなって英G1を勝ったように本来はタフ。同じ父を持つ6歳ブラストワンピース(2018年の有馬記念馬)もこのレースで再起を目指している。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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