2021年06月08日(火) 18:00
6月6日の佐賀がばいダッシュは、単勝1.1倍のドラゴンゲートがまったくの楽勝で、このレース連覇となった。鞍上の飛田愛斗騎手は昨年10月にデビューして8カ月が過ぎたばかりだが、これで早くも重賞3勝目となった。そしてこの日までで今年72勝、通算では94勝となり100勝の区切りが見えてきた。
佐賀で不動のリーディング山口勲騎手と今年の年明けからリーディングの首位争いをしていたことでも注目されたが、さすがに減量が1kgとなってからはじわじわと離され、6月6日現在で山口騎手93勝に対して、飛田騎手は72勝と21勝差。とはいえ3位の倉富隆一郎騎手(55勝)には17勝差があるだけに、断然のナンバー2とは言える。
そんな飛田騎手には、19年ぶりとなる記録更新の可能性が高まっている。デビューから最速の100勝という記録で、現在その記録を保持しているのは金沢の吉原寛人騎手。
吉原騎手は2001年にデビューして、その年は95勝を挙げ、金沢リーディングでいきなり3位となって注目された。通算100勝を挙げたのは02年1月6日のことで、4月7日のデビューから275日目のことだった。重賞初勝利は03年(オールジャパンリーディングジョッキー)だったが、デビューからわずか半年後の10月には、金沢所属のトゥインチアズでJRA京都の2歳オープン・もみじSを制したことも印象的だった。
一方、飛田騎手は昨年10月3日のデビューで、7月3日までにあと6勝をマークすればデビューから最速100勝の記録更新となる。7月3日はちょうど佐賀競馬の開催日で、そこまで佐賀では9日間の開催があるので、記録更新の可能性はかなり高いといえそうだ。
ただ100勝達成のデビューからの騎乗数でいうと、吉原騎手が591戦目(地方のみ)だったのに対し、飛田騎手はすでに637戦に騎乗している。なお、100勝達成の騎乗数で最速は、1977年に益田でデビューした岡崎準騎手(引退)の505戦目となっている。
ちなみに飛田騎手が初勝利を挙げたのは、デビューから35戦目。その後の活躍を思えば、意外なほど初勝利まで時間がかかった。開催日数では6日目だった。
ところで佐賀競馬では中島英峰アナウンサーの個性的な実況が地方競馬ファンにはよく知られ、山口勲騎手を「ミスターほとんどパーフェクト」、鮫島克也騎手を「キングシャーク」などと呼んだのも中島アナ。
飛田騎手が重賞初制覇となった今年2月25日のたんぽぽ賞では、ゴールを過ぎて向正面あたりを流しているところで、「鞍上は、ゴールデンルーキー、君の名は、飛田愛斗」と言っていた。そして今回の佐賀がばいダッシュでは勝ったあとに何と言うのか気にしていたところ、「“スーパー”ゴールデンルーキー」に昇格(?)していた。
今や全国の競馬場で活躍を見せている吉原騎手の記録を更新するとなれば、飛田騎手はまさしく「スーパーゴールデンルーキー」といえよう。
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斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。
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