【スレイプニルS予想】長距離ダート適性高い名繁殖牝系2頭の再対決

2021年06月18日(金) 18:00

斤量1キロ差では簡単に逆転されない

 名繁殖牝馬として知られるパーソナルレジェンド(米2000年生まれ)の影響力はすばらしい。その父Awesome AgainオーサムアゲインがBCクラシックなど北米ダート10Fで4勝しているからだろう。ダート適性だけでなくスタミナも伝える。

 初仔の牝馬ミラクルレジェンドは、ダート2100mのエンプレス杯など12勝。2番仔のローマンレジェンドは、ダート2000mのGI東京大賞典など10勝もした。

 これまで、ミラクルレジェンドから11番仔の4歳ヒロイックテイル(父スクリーンヒーロー)まで、その産駒は全馬が勝ち上がり、JRA、公営を合わせ計47勝している。牝馬は大半が繁殖入りし、その産駒たちはファミリーの勝利をさらに増やしている。

 このスレイプニルSでは、パーソナルレジェンド直仔の4歳ヒロイックテイルと、長女ミラクルレジェンド産駒の6歳グレートタイム(父キングカメハメハ)が再び対戦する。

 前走のブリリアントS(ダート2100m)を3馬身差で楽勝したヒロイックテイルは、2歳年上になる甥のグレートタイムに約4馬身の差をつけた。今回は負担重量2キロ増の57キロだが、グレートタイムも1キロ増。簡単には逆転されない。

 ヒロイックテイルの警戒すべき相手は、順当なら久しぶりにルメール騎手(過去1戦1勝)を配してきたバンクオブクラウズ(父ロージズインメイ)か。ともに先行力があり、時計の速いダートは歓迎に近い。

 前走のブリリアントSは、前半から緩急の少ない流れで、前後半のバランス「62秒1-(6秒3)-61秒2」=2分09秒6だった。ヒロイックテイルと、バンクオブクラウズは前半から2-3番手を追走。4コーナーで早めにスパートしたヒロイックテイルを、直後のバンクオブクラウズは懸命に追ったが差は詰まらず、最後はヒロイックテイルのデムーロ騎手はうしろを確認しながら、追うのを控えて楽に3馬身差だった。上がりは同じ36秒8でも脚色は大きく違っていた。

 今回、ヒロイックテイルは2キロ増の57キロ。しかし、バンクオブクラウズも1キロ増の56キロ。逆転される危険は小さい。

 馬場状態から早めに動きたい馬は多いが、この枠順なら先手を主張してマイペースもありそうなメイショウワザシ(父アイルハヴアナザー)が3番手。前走、渋った馬場で1800mに1分49秒7があり、時計勝負のダートは合う。間隔が空いて動き一歩だが、この距離が合いそうなメイショウエイコウ(父サマーバード)が穴馬。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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