2021年06月19日(土) 12:00
ダートの適性を競う3歳馬にとっての最初の重賞レース、ユニコーンSは、時期的に交流GIのジャパンダートダービーの前哨戦という位置づけになっているが、それだけではない。昨年の勝ち馬カフェファラオが、今年のフェブラリーSで人気に応えて勝ったように、ダートの出世レースとしての楽しみがある。実際、他にも多くのGIウィナーがここから生まれてきた。どう各馬の力を見抜くかだけでなく、その将来性もしっかり見定めていかなくてはならない。
昨年の勝ち馬カフェファラオの父は、米国で37年ぶりに三冠を達成し、BCクラシックなどG1を8勝したアメリカンファラオで、父譲りの爆発力を発揮していた。しかも、それで3戦3勝、最小キャリアでの勝利から、米国血統のダート適性の高さを改めて印象づけていた。今年は混戦ムードで、どう考えていくか、しっかり見据えていきたい。
庭の雑草をよくよく見ていると、稲に似たのや麦に似たのや、いろいろの穀物に似たのがいくつもある。もしやこれはと、肥料をやって培養していったら、そのもしやが本物になるかもしれないという思い、そんな気分で取り組んでみたい。
ダートの世界は、外国産種牡馬の存在が大きい。この5年でも、アイルハヴアナザーUSA、サマーバードUSA、ヘニーヒューズUSA、ノヴェリストIRE、ダンカークUSA、ケープブランコIRE、マクフィGBの7頭が最初のシーズンのサイアー・ランキングのベスト5に入っていた。そして、昨年のダート部門では、日本で供用されて4世代目を送ったヘニーヒューズが、ついにダート種牡馬チャンピオンの座が射止めている。
このヘニーヒューズ産駒では、2年前のユニコーンSをワイドファラオが勝っていて、昨年、交流GIのかしわ記念(船橋)を制覇している。ダートの本場北米でスプリントG1を2勝した快速馬ヘニーヒューズは、地方競馬でも交流GI全日本2歳優駿(川崎)優勝のアランバローズを出している。スピードが武器であることに変わりはないが、今年の3歳馬をみていると、少しずつその戦い方に変化が見られる。ユニコーンSと同じ舞台で、14年に創設されてからその勝ち馬が15年から毎年参戦している青竜Sだが、この6年で5頭が3着以内に来ていて、その中には、勝ち馬ノンコノユメも含まれる。
今年は、ヘニーヒューズ産駒で青竜Sを勝ったゲンパチフォルツァが出ている。マイルを2番手から抜け出して勝ち、成長ぶりがうかがえた。同じ産駒ケイアイロベージは、1800米を走り続けて3戦2勝と底を見せていない。激しい気性だが、脚をためられるかがカギだ。あと一頭サンライズウルスも3戦2勝、マイルは初めてだが、これも底を見せていない。その他全てがこれからの馬ばかりだ。
「ライバルを 出世レースで 置き去りし」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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