早くも新種牡馬産駒が活躍

2021年06月29日(火) 18:00

各地で勝ち名乗りを受ける馬が続々と

 4月14日に門別競馬場で今年最初の2歳新馬戦が始まってから1カ月半。その門別競馬場では、6月24日に全国で最初の2歳重賞、栄冠賞が行われた。

 残り100mを切って4頭が横一線の競り合い。そこから抜け出したのがモーニングショーだった。父はシニスターミニスター。産駒には、JBCレディスクラシックを制したヤマニンアンプリメや、第1回JBC2歳優駿を制したラッキードリームなどがいるダートではおなじみの種牡馬。母は佐賀デビューし、九州ジュニアチャンピオン、花吹雪賞、飛燕賞を制するなど2歳から3歳前半にかけて活躍したロマンチックという血統だ。

 そして出走14頭の中には新種牡馬の産駒が2頭。ともにコパノリッキー(父ゴールドアリュール)産駒で、コパノミッキー(牡)が6着、今年の新馬勝ち第1号だったラブミードール(牝)が8着だった。

 コパノリッキーは今年の新種牡馬では最多となる140頭の産駒(血統登録は138頭)を出しているだけに、ほかにブリュットミレジメ(牡)が佐賀の新馬戦を勝って、早くも地方で3頭の産駒が勝ち馬となっている。

 ダートで活躍した種牡馬ではラニ(父Tapit)の産駒も2頭の産駒が勝ち上がっていて、ポップツッキー(牡)、フィティアンガ(牡)が、ともに門別・アタックチャレンジを勝った。

 また地方で活躍した種牡馬ではポアゾンブラック(父マイネルラヴ)が初年度産駒12頭の中から、ミラコロカルミア(牡)が門別・フレッシュチャレンジを制している。

 芝の活躍馬の産駒では、注目のキタサンブラック(父ブラックタイド)の産駒も、産駒初勝利は門別。6月24日に、賞金の高い新馬戦・スーパーフレッシュチャレンジをウン(牡)が制した。

 そのほか、ビッグアーサー(父サクラバクシンオー)産駒の、エムティエース(牡)が水沢で、アンサン(牝)が園田で、それぞれ新馬戦を勝ち、イスラボニータ(父フジキセキ)産駒のショウリノマイ(牡)が門別・フレッシュチャレンジを、サトノアラジン(父ディープインパクト)産駒のオミワタリ(牡)が門別・未勝利戦を、ディーマジェスティ(父ディープインパクト)産駒のスージー(牝)が門別・未勝利戦を勝っている。

 また中央ではロゴタイプ(父ローエングリン)産駒のラブリイユアアイズ(牝)が芝の新馬戦を勝っている。

 ここまで中央・地方合わせて最多となる4頭の産駒が勝っているのが、シルバーステート(父ディープインパクト)の産駒。シルバーステートは重賞勝ちがなく、新馬戦2着のあと未勝利戦から準オープンまで4連勝という成績で、屈腱炎のため引退した。地方ではシナノシルキー(牝)が川崎でデビュー2戦目を勝ち、中央ではメリトクラシー(牝)が芝の新馬戦を、コムストックロード(牝)、リトス(牝)がともに芝の未勝利戦を勝っている。

 シルバーステートの種付料は、この世代の2018年が80万円で191頭もの交配相手を集め(生産頭数は117頭)、2019年100万円、2020年120万円、2021年150万円と、じわじわと上昇。初年度産駒の早い時期からの活躍で、さらに人気が出るかもしれない。

 なお地方での産駒勝利はまだないが、輸入馬ドレフォン(父Gio Ponti)の産駒が中央で3頭が勝利。ハイアムズビーチ(牝)、ジオグリフ(牡)が芝の新馬戦を、フェズカズマ(牡)がダートの新馬戦を勝ち上がっている。

 成績は6月27日現在。

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斎藤修

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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