【ラジオNIKKEI賞予想】伸びしろ十分でここでも通用しそう/古澤秀和

2021年07月02日(金) 18:00

体型的にも福島の1800mは合うシュヴァリエローズ(c)netkeiba.com

 今週はラジオNIKKEI賞が行われます。福島の開幕週で行われるのですが、予報では金曜日から日曜日に掛けて天気は雨。道悪での競馬となりそうです。良い状態で水分を含んだ馬場を想定しながら各馬を馬体を中心に分析していきたいと思います。まずは中間の立ち写真がある馬についてのコメントです。

アサマノイタズラ(父:ヴィクトワールピサ 母父:キングヘイロー)

 ツナギの長さや角度は標準くらい。飛節はやや直飛気味で脚はやや細め、背中と胴が短く、筋肉量は標準からやや多め。筋肉の質は柔らかく、母系のキングヘイローが良く出ていて持久力寄りです。今回の福島1800m、水分を含んだ馬場はこの馬には合っていると思います。

 皐月賞時はまだトモの肉付きが甘かったのですが、今回はボリュームが増してグンと成長している印象です。仕上げは若干余裕残しという感じですが、馬体的には適性と能力で上位争いできる状態です。

ヴェイルネビュラ(父:ロードカナロア 母父:ハーツクライ)

 ツナギは標準的な長さ、角度は標準。各パーツに遊びがなく、筋肉量も多いのであまり距離が延びて良いタイプではないでしょう。肩が立ち気味で胸前が発達しているのでダートの1400〜マイルくらいが合いそうです。今回の条件は開幕週の道悪ということもあって馬場が合いそうですし、距離もギリギリこなせても良いと思います。ただ、特に適性が高いということはないと思います。

シュヴァリエローズ(父:ディープインパクト 母父:Sevres Rose)

 ツナギに柔軟性があり手先も軽めでしなやかさを感じさせます。しかし、瞬発力タイプというわけではなく、筋肉の質や無駄肉のない体付きを見ると良い脚を長く使うタイプでしょう。体型的にも福島の1800mは合っていると思います。道悪も開幕週のものならこなせても良いと思います。

タイソウ(父:モーリス 母父:ダイワメジャー)

 ダイワメジャーの母系にモーリスという血統の割には筋肉量が少なく脚が長い印象ですが、この馬なりに筋肉がついてきました。歩かせると非常に全身が柔らかく、グニャグニャに見えるくらいですが、それがこの馬の良いところでしょう。もう少し馬体に芯が入ってくればもっと走ると思います。先行力があるので、現状は前に行ってしぶとさを生かす形が合っています。そういった面では福島の1800mは合っていると言えるでしょう。デキはグンと良くなっているので、上位争いは必至でしょう。

プレイイットサム(父:クロフネ 母父:ディープインパクト)

 クロフネ産駒で骨は太目、筋肉量も豊富でパワフルな馬体。この厩舎らしい丸みのある体型です。歩かせるとツナギのしなりが非常に良く、かなり柔らかくクッションとバネの利いた歩き方をします。見た目はクロフネでディープインパクト産駒の運動神経を持っている感じです。素質はかなり高いでしょう。

 前走は序盤でもたつきながらも勝負どころで押しながら上がって行けましたし、小回りの競馬にも対応できます。また、前走時はまだまだ太かったので、写真を見る限りでは大分絞れて状態は上がっています。このメンバーに入っても全く引けを取らないと思います。

リッケンバッカー(父:ロードカナロア 母父:City Zip)

 ツナギをはじめとしたパーツが短めなので、距離延長はプラスと言えないでしょう。まとまりの良い馬体で小脚が使えて馬群も割れるので小回り自体は悪くないと思いますが、直線の長いコースで溜めて脚を使う方が合っていると思います。ベストは直線が長い競馬場の1400mでしょう。

 状態としてはトモの筋肉に締りが出てきましたし、立ち姿に力強さもあって良い状態だと思います。

 以下は前走などのパドックを見ての評価です。

ヴァイスメテオール(父:キングカメハメハ 母父:キングヘイロー)

 キングカメハメハ産駒で手先が軽く四肢の柔軟性があり、トモの筋肉が発達しています。まだ体幹ができていなくて芯が入っていないですが高い素質を持っている馬です。まだ緩いところがあるので道悪はどうかと思いますが、母が道悪の鬼だったので自身も前々走は不良馬場で勝っています。差しが利く馬場ならチャンスはあるでしょう。

ボーデン(父:ハービンジャー 母父:キングカメハメハ)

 まさにハービンジャー産駒という体型でトモが大きくて全体的に緩めの造り。2戦目で速い時計で勝っていますが、本質的には時計が掛かる馬場の方が合っているでしょう。今回の馬場やコースは合いそうですが、距離は本質的に1ハロン短い方が合うと思います。

【現時点でのまとめ】
 現時点ではプレイイットサムに妙味を感じます。まだ仕上げが甘い状態で前走の勝ちっぷり、絞れて張りが増してきた今回はどれだけやれるか楽しみです。ここはハンデ戦で斤量差があるので、アサマノイタズラやシュヴァリエローズとも差はないでしょう。配当妙味もあるので楽しみだと思います。

 結論はウマい馬券の直前情報で。

■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
 2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。

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高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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