ラジオNIKKEI賞は各馬の勝ち鞍に注目したい

2021年07月03日(土) 19:00

 前回6月27日のWIN5は205万4000円の配当で決着。優勝馬5頭中4頭が単勝オッズ10倍未満だったうえ、5レース目の宝塚記念(阪神11R)を勝ったクロノジェネシスは単勝オッズ1.8倍(1番人気)と圧倒的な支持を集めていましたが、4レース目のパラダイスS(東京11R)を単勝オッズ26.4倍(10番人気)のキルロードが制したこともあり、やや高めの払戻金額となりました。

 ちなみに発売金額は9億7418万6400円で、今年に入ってからの最高記録を更新。GIの宝塚記念が施行されたとはいえ、昨年までの宝塚記念デイは前後の回とそれほど変わらない水準にとどまっていましたから、単純にレースのラインナップやメンバー構成が購買意欲を掻き立てたのでしょう。発売金額が8億5714万2900円未満だと的中1票でも配当は6億円に届かないわけで、売り上げが好調なのは我々にとっても良いこと。今後もこれくらいの水準をキープしてほしいものです。

 明日7月4日のWIN5は総出走頭数が59頭、総組み合わせ数が19万2192通り(土曜12時現在)。総組み合わせ数が20万通りを下回るのは2019年の12月1日(15万8400通り)以来で、通算23回目となります。

【2021年07月04日発売分の1点予想】

小倉10R 6.ハンディーズピーク
福島10R 11.バスクベレー
函館11R 7.ワールドウインズ
小倉11R 10.アウィルアウェイ
福島11R 15.グランオフィシエ

【1レース目 西部スポニチ賞(小倉10R)】

 今年の2回小倉ダ1700m(7月3日終了時点)は、先行力の低い馬がいまひとつ。「前走の4コーナー通過順が7番手以下だった馬」は[1-0-0-18]なので、ラブスピール・リバプールタウンは強調できません。

 サンデーミラージュ・ハイパーノヴァ・スキッピングロックあたりもこの少頭数ならチャンスはありそうですが、注目はやはり3歳のハンディーズピーク。前走が好内容でしたし、無理に逆らう必要はないでしょう。

【2レース目 さくらんぼ特別(福島10R)】

 馬格がない馬を重視したい一戦。「前走の馬体重が470kg以上だった馬」は2017年以降[1-1-0-25]と苦戦していました。ライバーバード・オジョーノキセキ・カンタベリーマッハ・バカラクイーン・ゲンパチアイアンなど、今年は出走馬の大半がこの条件に引っ掛かっています。

 狙ってみたいのはバスクベレー。コース替わりもプラスに働きそうです。

【3レース目 巴賞(函館11R)】

 実績馬が強いレース。「“前年以降、かつJRA、かつ2400m未満、かつオープンクラスのレース”において5着以内となった経験のない馬」は2017年以降[1-0-0-13]と、あまり上位に食い込めていません。マドラスチェック・ナイママ・ハーメティキストらは評価を下げるべきでしょう。

 また「前走の出走頭数が13頭以下だった馬」は2017年以降[0-1-0-19]。マイネルファンロンのように、少頭数のレースを経由してきた馬は期待を裏切りがちでした。

 ドゥオーモあたりも面白い存在ですが、このメンバー構成ならワールドウインズを素直に中心視すべきだと思います。

【4レース目 CBC賞(小倉11R)】

 実績馬と前走好走馬が優勢。「“JRA、かつGI・GIIのレース”において4着以内となった経験がない、かつ前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.5秒以上だった馬」は2014年以降[0-2-0-32]です。ピクシーナイトらは過信禁物と見るべきでしょう。

 なお「馬齢が4歳以下の馬」は2014年以降[0-0-0-20]。さすがに“全滅”までは考えづらいメンバー構成となったものの、タイセイビジョン・ビオグラフィー・ヨカヨカあたりは扱いに注意すべきかもしれません。

 ちなみに「前走との間隔が中2週以内の馬」も2014年以降[0-1-0-17]と安定感を欠いていました。

 これらの傾向から強調できるのはクーファウェヌス・アウィルアウェイの2頭。それぞれコース替わりもプラスに働くと思います。

【5レース目 ラジオNIKKEI賞(福島11R)】

 これまでの戦績がポイント。「“JRA、かつ中山以外、かつ1800〜2000m、かつ出走頭数が10頭以上のレース”において1着となった経験がない馬」は2017年以降[0-0-0-17]ですから、該当馬は思い切って評価を下げましょう。

 あとは臨戦過程も重要。「前走との間隔が中8週以上の馬」は2017年以降[0-1-1-16]、「前走の着順が3着以下だった馬」は2017年以降[1-1-1-22]なので、ヴァイスメテオール・ボーデン・スペシャルドラマ・ヴェイルネビュラらは少々割り引きが必要です。

 今年はアイコンテーラー・グランオフィシエの2頭が面白い存在。1勝クラスのレースを勝ち上がったばかりとはいえ、いずれも侮れません。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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