2021年07月09日(金) 18:00
日曜の「七夕賞」と同じハンデ戦の2000m。まだ開催2週目で芝コンディションは良好だが、今週は雨の影響をかなり受ける危険がある。日曜の七夕賞をイメージすると同時に馬場状態に気をつけたい。
4歳モズナガレボシは、NHKマイルCなどマイル以下で全6勝を記録したグランプリボス(父サクラバクシンオー)の2世代目の産駒。グランプリボスの産駒は、現5歳のゼットパッションが2019年の浦和の桜花賞2着など、目下4勝。現3歳牡馬リュウノシンゲンが東北優駿(岩手ダービー)を制するなど10勝、同じく3歳牡馬リーチが鎌倉記念など4勝。地方重賞の勝ち馬は複数送っているが、ここまでJRAの代表馬はモズナガレボシ(3勝)がいる程度。そのため父の評価は下降気味だが、サクラバクシンオー系は決して早熟タイプではない。
タフなスピード能力を伝えるサクラバクシンオーの父系は、今年の新種牡馬ビッグアーサー(高松宮記念など8勝)の出現で、不滅の父系としてさらに存続することになった。テスコボーイ(63)→サクラユタカオー(82)→サクラバクシンオー(89)→と続く父系は、半世紀も日本で続く貴重なプリンスリーギフト(51)系であり、モズナガレボシにはさらにパワーアップして欲しい。
モズナガレボシはダートで新馬から13連敗のあと、初芝となった格上挑戦の「ルスツ特別(札幌)」はウインキートス(今春の目黒記念馬)に完敗したが、そのあとは芝で【3-1-2-0】。このクラスでの2戦も0秒4差、0秒2差だけ。3走前はこの父系らしくなく2600mでも勝っている。
今回は4走前に快勝したときと同じ福島2000m。菅原明良騎手(20)は先週までにJRA通算99勝。土曜日はメインまでに5鞍も乗っているので、すでに100勝に到達している可能性もあるが、100勝はこの馬かもしれない。前回2着は稍重。5走前には芝の重馬場で勝っているから渋馬場は下手ではない。
モズナガレボシの母の父は、牝馬の活躍馬が目立ち、なぜか後継種牡馬に恵まれず、母の父となっても牝馬に強力な影響力を伝えがちなクロフネ。2600mでも勝ったモズナガレボシは、父母両系の血統背景イメージとはだいぶ異なる不思議な馬に育ちつつある。好気配のエフェクトオン、前走の好内容が光るハーツイストワールが強敵。しぶといプリマヴィスタがコース替わりで穴馬。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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