【ジュライS予想】全日本ダート種牡馬ランキング1位の勢いに要注目

2021年07月16日(金) 18:00

ベストに近い条件で巻き返しを狙う

 全日本の「ダート限定」種牡馬ランキングは、長くゴールドアリュール、キングカメハメハの2強時代が続いた。だが、ともにすでに他界し、近年は芝部門もそうだが上位がどんどん入れ替わりつつある。

 2020年は長いあいだ好位にいたサウスヴィグラス(同馬もすでに他界)が第1位に輝いた。そして今年は目下、ヘニーヒューズ(現在18歳。父ヘネシー、その父ストームキャット)がトップに立っている。

 種牡馬ヘニーヒューズの産駒では、種牡馬になっているモーニン(フェブラリーSなど8勝)、アジアエクスプレス(朝日杯FS、レパードSなど4勝)、ケイアイレオーネなどが代表格。ただ、輸入されてからの近年の代表産駒は、かしわ記念の現5歳ワイドファラオ、マーチSの6歳レピアーウィットなどで、そうは目立たなかった。

 だが、現3歳アランバローズ(東京ダービー、全日本2歳優駿)、4歳タガノビューティー(オアシスSなど)、14日の大井ジャパンダートダービー3着のウェルドーン(関東オークス馬)などの活躍で、ついに全日本ダート種牡馬ランキング1位に躍り出ている。その勢いに注目したい。

 福島のジュライSの5歳スマートセラヴィー(父ヘニーヒューズ)は、ここ3戦は相手強化、距離、体調などもあって凡走だが、立て直しを図って入念に乗り込んできた。

 右回りのダート1700mはベストに近い条件。昨年夏の小倉では3勝クラスを1分42秒4の好時計で先行抜け出しを決めている。オープンに格上がりとなった秋の福島民友Cでは、そのあとダート重賞2勝のオーヴェルニュの小差2着に粘った。タイムは1分44秒7だが、福島のコースレコードは1分43秒1なので、十分に好タイム。

 今回は、このコースの1700mのわりに先行型が少ない組み合わせになった。ダート1700mは通算【3-1-0-2】。ハナに立てなくとも先行して流れに乗れば、しぶとい先行スピードがフルに生きるはずだ。野中悠太郎騎手に合うと思える。

 確実に伸びてくるデアフルーグ、1700mで変わるアディラート本線だが、伏兵の1頭にモズダッシュスター(父ヘニーヒューズ)を入れたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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