2021年07月17日(土) 19:00
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
3週目に入った函館の芝は引き続きAコースで開催。3〜4コーナーの内寄りが多少傷んできた。今週は木曜朝の調教時間帯に馬場が湿る程度の雨が降った程度で、週初めから晴天続き。それでも、JRA測定の土曜朝のクッション値は「7.2」(やや軟らかめ)。福島が「8.1」、小倉が「9.3」(ともに標準)。これが一般的にソフトと言われる函館の洋芝らしい特徴なのかもしれない。時計の出方は前2週とほぼ同じ。決して速くないが、開催6週目で雨の影響を微妙に受けた昨夏の函館記念週ほど時計は掛かっていない。
土曜は、芝競走は7鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置取りは「5番手、8番手、1番手、1番手、2番手、3番手、4番手」。ペースが落ち着くと直線の短い小回りコースだけに圧倒的に前有利だが、見た目の印象では差しも利いている。
1R・2歳未勝利戦(芝1800m)は中団追走の1番人気ブラックボイスが4コーナーでは外を回してきっちり届いた。
3R・3歳未勝利戦(芝1200m)はレース前半3F33秒9〜同後半3F36秒0の完全な前傾ラップ。8番手追走の2番人気ニューアリオンが一気。2着は後方追走から4コーナー14番手の8番人気トミケンサルタールが、函館では珍しい大外から2着に届いた。基本的には前有利だが、展開次第では差しも利く。
12R・かもめ島特別(芝1800m)は逆に前半3F36秒9〜後半3F35秒5のスローペース。4コーナー4番手のイカットが最後届いたが、ここまで遅いと先手を奪った9番人気ナギサが2着に残ったのも納得。
日曜の函館は降水確率0%の晴天予報。最高気温も30度と函館では珍しい高温。同じ良馬場でも一段乾き、時計は出やすくなる可能性もある。過去3年の優勝タイムは1分59秒8、1分59秒6、1分59秒7(いずれも良)で推移してきたが、今年は「1分59秒台前半」のちょっと速めの攻防か。道悪を期待していたマイネルウィルトス、昨年2着ドゥオーモなど道悪巧者には、もう少し馬場渋化が理想だったかもしれない。
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小田哲也
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
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