2021年07月27日(火) 18:00
ロジペルレストと逃げ切り勝ち! 笑顔を見せる泉谷楓真騎手 (C)netkeiba.com
25日に行われたUHB杯は、12番人気のロジペルレストが制しました。今回のレースを振り返り、「小回りの1700mダートで理想的なハナの切り方」と哲三氏も絶賛。若手の活躍に期待を寄せつつ、年齢を重ねてくると多くの人が経験するという“ジョッキーあるある”についても明かします。
(構成=赤見千尋)
日曜日の函館メインであるUHB杯は、12番人気だったロジペルレストが逃げ切り勝ち。鞍上の泉谷楓真君は実にいい逃げでしたね。
スタートしてハナを切るまでの間合いがとても良かったです。スタートして追っ付けて行く中でも変にスピードが乗り過ぎないように追っていましたし、横の馬よりも先に出て、ハナが切れそうだとなっても、そこから急に減速し過ぎるような引っ張り方をしないで、1コーナーに入ってから減速する逃げ方でした。
上手くスピードのコントロールが出来ていましたし、騎乗馬の特徴というのもあるけれど、変にスローに落とさずにいい流れのままハナに立つ逃げ方は、小回りの1700mダートで理想的なハナの切り方だったと思います。
泉谷君は今月17日の函館2歳ステークスで初重賞制覇をしましたし、この北海道シリーズでかなりアピール出来ていると思います。これからさらなる活躍を期待していますが、これはジョッキーあるあるで、ジョッキーみんなが通る道なのですが、何年か後に行き詰まる時があると思うんです。
年齢を重ねて経験が増えてくると、いろいろやろうとすることが見えてきたり、それが出来るようになってきたりして、やれることが出来過ぎて、変に頭の中が固まってしまってどうしてもスピードをコントロールし過ぎてしまうことがあります。そうして行き詰まった時に若い頃の勢いのある乗り方を思い出してという場面で、今回のレースは手ごたえとかイメージをしっかりと残しておいて欲しいなと。
今はまだまだ減速だったり扶助操作だったりを身に付けていく段階ですが、若い今の時期のベースにこういういいレースが出来ているというのは、先々がとても楽しみですね。もし僕が今も現役ジョッキーでライバルだったとしても、いい逃げだなと思うような騎乗でした。
泉谷楓真騎手のレースを見て「先々がとても楽しみ」と哲三氏 (C)netkeiba.com
新潟のアイビスサマーダッシュは、3着に14番人気だったバカラクイーンが入りました。外目の馬場がいいと言われている新潟千直において、1枠1番から最内を進み続けました。菅原明良君の思い切りの良さが際立つ騎乗でしたね。
夏開催は若手の活躍の場であり、アピールする絶好のチャンス。泉谷君も菅原君もいいアピールが出来たと思います。まだまだ暑い夏は続きますが、若手ジョッキーたちの頑張りを見ているのはとても楽しいです。
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佐藤哲三
1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。
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